ユーグレナの更なる可能性
無限大の可能性をもつ微細藻類ユーグレナ。食品だけでなく、バイオ燃料や飼料、肥料、バイオマスプラスチックと多岐にわたり研究が進んでいます。ユーグレナは残渣まで活用でき、とってもサステナブル。私たちの生活に欠かせない存在となる未来は、もうすぐそこまできています。
そして、微細藻類ユーグレナは、他の生物にはない希少成分パラミロンを多く含んでいます。それはキノコなどに多く含まれるβ-グルカンの一種。食物繊維であるパラミロンは、健康への応用が期待され、多くの学者や専門家が研究を進めている注目の成分です。
食品・サプリメント
ビタミン13 種、ミネラル 9 種、アミノ酸 19 種、 DHA や EPA などの不飽和脂肪酸 12 種、他にも食物繊維の一種であるパラミロンなど合わせて、全部で 59 種類もの栄養素がバランスよく含まれている微細藻類ユーグレナ。
しかし、ユーグレナは食物連鎖の最下層に位置し、他の生物にすぐに捕食されてしまうため、培養することが困難でした。それでも、 2005 年についにユーグレナ社が食用屋外大量培養に成功したため、今では私たちの健康も支えてくれる存在へとなったのです。
バイオ燃料
培養方法によって、体内により多くの良質な油を作ることができる微細藻類ユーグレナ。この油を抽出し、製造過程を経て、バイオ燃料へ。今後の大量生産に向け、現在でもすでにユーグレナを原料の一部としたバイオ燃料「サステオ」が、日本各地でバスやフェリー、飛行機など陸海空すべてのモビリティに導入されています。
ユーグレナは培養時に農地を必要としないため農作物や土地との競合性が低く、かつ、光合成で成長するので化石燃料を消費して排出される二酸化炭素を吸収して育ち、炭素循環型社会を構築することができる可能性があるのです。
飼料
59種類の豊富な栄養素という特徴が、飼料開発の可能性にもつながっている微細藻類ユーグレナ。飼料に活用することで、味や品質が向上することが研究により明らかになってきています。また、ユーグレナを活用することで飼料に使用されるタンパク質源を多様化することができます。そして、食糧と競合しないユーグレナは、持続可能な原料としても有効です。普段皆さんが口にする食べ物のうまみにもユーグレナの力が備わっているのです。
培養土・肥料
バイオ燃料の製造過程から出る残渣を活用した有機液肥や培養土の可能性がある微細藻類ユーグレナ。残渣だけでなくユーグレナが配合された有機化成肥料も開発されています。
ユーグレナの使用により、収穫量の増加や収穫後の作物鮮度の低下を抑制する可能性が示唆されており、今後ますます農業分野における更なる利活用や機能の追求に関する研究がすすめられています。
バイオマスプラスチック
希少成分パラミロンを使用したバイオマスプラスチック「パラレジン®」の開発も進められている微細藻類ユーグレナ。すでに開発に成功しており、100%石油由来プラスチック製品に比べ、強度があることも実験結果で分かっています。ほかにもバイオマスプラスチックの開発は、海洋プラスチックごみ等、社会問題解決の一助になり、海の生態系を守りながら、私たちの生活にも便利さを届けてくれるのです。