ニュースリリース
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微細藻類ユーグレナの特有成分パラミロンが
慢性腎障害を抑制することを示唆する研究結果を確認しました
株式会社ユーグレナ
株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、社長:出雲充)は、帝京大学医学部附属溝口病院永山嘉恭医師との研究により、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ、以下「ユーグレナ」)の貯蔵多糖であるパラミロンが慢性腎障害を抑制することを示唆する研究成果が得られました。なお、今回の研究成果は2020年8月7日に『PLOS ONE』に掲載されました。(https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0237086)
■研究の目的
腎臓は血液をろ過し、尿毒素を含む老廃物を尿として体外に排出しますが、慢性腎障害の患者は、腎臓の働きが健康な人の60%以下に低下し、腎機能の異常が続きます。慢性腎障害が進行するにつれて、糸球体※1のろ過機能が弱ることから血中に尿毒素が蓄積し、そのことが更なる腎機能障害の進行や腎臓の線維症※2を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患の発症にもつながっていくと言われています。本研究では、慢性腎障害を発症させたラットを用いて、パラミロンの継続的な摂取が、慢性腎障害の進行に与える影響について検討しました。
※1 腎臓において、血液中の老廃物や塩分をろ過する機能を担う組織
※2 慢性的な炎症の際にコラーゲン等の蓄積によって腎組織が硬くなってしまう症状
■研究の内容と結果
パラミロンの摂取が慢性腎障害を抑制することが示唆されました
慢性腎障害を発症させたラットに、通常の食事を与えたもの、パラミロン5%を含む食事を与えたもの、さらに、比較のために、慢性腎障害を発症させていない健康なラットに、通常の食事を与えたもの(コントロール)で試験を行いました。その結果、慢性腎障害を発症させることにより増加した尿タンパク体※3の排出は、パラミロンを摂取することで有意に抑制されました(図1)。また、慢性腎障害を発症させることにより観察された糸球体の硬化(図2A)および尿細管※4の障害(図2B)は、パラミロンを摂取することで有意に抑制されました。
※3 腎臓に障害が起きると尿にタンパクが排出される。
※4 糸球体でろ過されたあとの尿からアミノ酸やブドウ糖、ミネラル等を再吸収する機能を担う組織
※5 糸球体断面図の写真。矢印部分は硬化部分を表す。スコアが高いほど硬化している
※6 矢印部分は障害された尿細管を表す。スコアが高いほど障害されている
これらの結果は、パラミロンの摂取が慢性腎障害を抑制することを臨床的および組織学的観点から示唆しています。
当社では、今後もユーグレナおよびパラミロンの健康食品、医療分野等での利活用や食材としての付加価値向上を目指し、研究開発を行ってまいります。
<ユーグレナ(和名:ミドリムシ)について>
石垣島ユーグレナは、ワカメや昆布、クロレラと同じ藻の一種で、動物と植物の両方の特徴を持っており、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など59種類の栄養素をバランスよく含んでいます。なお、ユーグレナ特有の成分でβ-グルカンの一種であるパラミロンは、近年機能性についての研究が進み、食品や化粧品などのヘルスケア分野などでの活用が期待されています。当社は、「栄養不足」「心身の疲労」「免疫力低下」の相互関係の事実をとらえ、健康の基盤を妨げる複合的要因に着目しています。健康の基盤を妨げる要因に左右されずに、からだが本来持つ“つくる・はたらく・まもる”のサイクルを保ち、よりよい状態へ高めることで、一時的ではなく、持続的な健康を叶えることが大切と考えています。
以上
―報道関係者お問い合わせ先―
株式会社ユーグレナ コーポレートコミュニケーション課