ニュースリリース
※ ニュースリリースは発表当時の内容を掲載しており、最新の情報とは異なる場合がありますためご注意ください。
「産業界との融合的連携研究制度」
2018年度新規研究チームの設置について
理化学研究所
株式会社アツミテック
株式会社オキサイド
株式会社ユーグレナ
要旨
理化学研究所(理研)は、理研と企業のヒト・モノ・カネをマッチングして研究開発を行う「産業界との融合的連携研究制度[1]」の下、新たに3研究チームを2018年4月1日付で設置することを決定しました。
研究チームは、「産業界との融合的連携研究制度」2018年度研究課題の募集にもとづいて、株式会社アツミテック、株式会社オキサイドおよび株式会社ユーグレナからそれぞれ提案のあった研究課題の採択を受けて設置されるものです。設置後は、理研と各企業の研究・技術シーズを融合し、実用化・製品化へ繋げ、社会的課題の解決を目指した研究開発を実施します。
1.新規研究チームの概要
新規研究チームは、以下の採択課題にもとづき、課題の提案企業主導で理研に設置されます。
(1)研究チームの概要(提案企業50音順)
①「水素エネルギーストレージ技術研究チーム」(和光地区)
(Hydrogen energy storage technology Laboratory)
採択課題名:高性能水素吸着・吸蔵材料の開発と固体電池への応用検討
提案企業:株式会社アツミテック
研究概要:アツミテックが研究する水素吸蔵材料と理研が保有する世界初の配向を制御した高次構造制御材料g-C3N4を利用し、微多孔質で比表面積の極めて大きい水素吸着材料を開発します。また水素吸着材料と水素吸蔵材料の複合化により水素放出特性の優れた高容量水素貯蔵材料を開発します。
達成目標:70MPa高圧タンクは、現状の1/2以下の大きさにまで小さくすることが可能となります。また、将来の水素充填圧力の低圧化や偏平タイプの水素タンクを実現します
②「中赤外レーザー光源研究開発チーム」(和光地区)
(Mid-Infrared Laser Source Laboratory)
採択課題名:多用途中赤外光源の開発
提案企業:株式会社オキサイド
研究概要:オキサイドのレーザー要素技術と理研の中赤外コヒーレント光発生に関する研究成果を組み合わせて、中赤外光源の実用化開発を実施します。具体的には、非線形波長変換技術を駆使した中赤外レーザー光源を開発します。また非線形波長変換の励起光源として利用するレーザーの研究開発を実施します。
達成目標:各種ガス分析や環境計測をリモートセンシングで可能にする、機器搭載可能な小型軽量中赤外波長のレーザー光源を開発します。
③「微細藻類生産制御技術研究チーム」(横浜地区)
(Microalgae Production Technology Laboratory)
採択課題名:微細藻類のバイオ燃料増産のための革新的生産介入技術の開発
提案企業:株式会社ユーグレナ
研究概要:ユーグレナが有する大量培養技術と理研が有する遺伝子や情報解析技術を組み合わせることで、より革新的な微細藻類の生産技術の開発を実施します。
達成目標:ミドリムシをはじめとする有用な微細藻類の油脂生産性を向上する培地添加剤を開発します。
(2)設置期間
2018年4月1日から2023年3月31日まで
2.補足説明
[1] 産業界との融合的連携研究制度
理研と企業のヒト・モノ・カネをマッチングした、5年以内の時限的な融合研究チーム(チームリーダーには企業研究者が就任)を理研に設置して、企業主導で課題解決に取り組む制度。形式知(特許や論文等)のみならず暗黙知(ノウハウ等)の移転も実現し、基礎的な研究成果を目に見える形で社会に還元し、日本の産業技術の新たな展開に貢献する。2004年度より「理研の研究成果を活用して実用化・製品化を目指す課題」を企業から公募し、採択課題を選定している。
(本制度の詳細 http://www.riken.jp/outreach/programs/entry/)
以上
―報道関係者お問い合わせ先―
株式会社ユーグレナ コーポレートコミュニケーション課