ニュースリリース
※ ニュースリリースは発表当時の内容を掲載しており、最新の情報とは異なる場合がありますためご注意ください。
反芻家畜への飼料の一部を微細藻類ユーグレナで代替することにより
メタン発生量を減少させる効果を確認しました
株式会社ユーグレナ
株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、社長:出雲充)は、国立大学法人帯広畜産大学の生命・食料科学研究部門・西田武弘准教授と共同で行った研究において、反芻家畜(以下、ヒツジ)に給餌する飼料の一部を微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の粉末で代替することにより、ヒツジからのメタン排出量が減少する効果を確認いたしました。
なお、これらの研究成果は、2016年12月9日に国際特許出願を行うとともに、2017年3月29日に行われた日本畜産学会にて発表いたしました。
牛やヒツジなどの反芻動物は、胃に存在するメタン生成菌が有機物等を発酵させることによりメタンを生成する結果、呼気とともにメタンを排出します。有機物が本来持つエネルギーがメタンとして排出されてしまうことは、家畜が得られるはずの栄養吸収量の損失を意味します。また、メタンは、温室効果ガスの一つであり、その温室効果能は二酸化炭素の約25倍にも及びます。そのため、メタンの発生量を減らすことは、家畜におけるエネルギー損失を抑制するとともに、環境負荷を軽減することに繋がります。
今回の研究では、ヒツジを対象として、飼料の一部をユーグレナ粉末で代替した飼料を給餌することで、メタン発生量の影響を評価しました。その結果、飼料の一部をユーグレナ粉末に代替することで、ヒツジのメタン発生量を減少させるとともに、栄養吸収量の向上が見込まれる可能性が示唆されました。
今後も当社では、微細藻類ユーグレナの飼料としてのさらなる安全性を確保するとともに、飼料として活用した際の付加価値の向上等に関する研究を推進し、飼料利用の事業化を目指します。
詳細は以下の通りです。
反芻動物からのメタン発生量と飼料に関する研究について
■研究内容
通常の飼料を給餌するヒツジ(コントロール)と、飼料の一部をユーグレナ粉末で代替した飼料を給餌するヒツジとの間で、メタン発生量の影響を比較しました。その結果、飼料の一部をユーグレナ粉末で代替することにより、通常の飼料を給餌する場合と比較して、メタンの排出量を18%減少させる効果があることを確認しました。
各区におけるメタン発生量の変化
■考察
飼料の一部をユーグレナ粉末に代替することで、ヒツジのメタン発生量を減少させるとともに、栄養吸収量の向上が見込まれる可能性が示唆されました。
以上
―報道関係者お問い合わせ先―
株式会社ユーグレナ 広報IR課