ヒト細胞を使った
ユーグレナ由来の美容成分の研究
「ヒト細胞の研究者求む」
2015年春、結婚を機に名古屋から故郷である関東に戻ることを検討していた大湖菜央子は、偶然見つけた求人を見て驚いた。その求人票を見た大湖は「これ、私のことだ」と思ったという。
大湖は大学院を卒業後、名古屋にある化粧品会社で約2年間、皮膚幹細胞の基礎研究や植物由来の素材の機能性研究などを担当し、ヒト細胞を使った研究に従事していた。
当時の当社はユーグレナ由来の美容成分の研究を進めており、ヒト細胞を使った研究に挑むため、ちょうど経験者を募集しているタイミングだった。大湖は面談に進み、創業者の1人で研究者である鈴木(現執行役員)や永田(現副社長)と話をする中で、家庭と仕事の両立や研究に対する姿勢に魅力を感じ、2015年7月にユーグレナ社に入社した。
研究機材をそろえるなど0からの出発
入社した大湖は、ヒト細胞を使った研究を進めるため機材や試薬の選定や購入などの準備に入る。前職でヒト細胞を使った研究に従事していた大湖だったが、ゼロベースで機材や試薬をそろえるという経験はなかったため試行錯誤しながらの出発だった。
社内外に相談しながら準備を進め、研究の安定的な実施を図っていた2015年11月ごろ、素材メーカーとの共同研究で、「セルロースシングルナノファイバー」※に関する新たな知見を発見する。
※TEMPO酸化セルロースナノファイバー。本研究によりヒト皮膚線維芽細胞の増殖促進効果が見られ、かつ細胞接着に関与していることが示唆された。
「研究の安定化を図るためさまざまな研究を進めている中で、こんなに早く結果がでると思わなかった」
これは、当社として自社で行ったヒト細胞を使った研究として初めての成果となった。この研究結果は2016年3月に日本薬学会での学会発表と特許出願につながった。
また、2017年3月にはユーグレナ熱水抽出液の脂肪分化抑制効果に関する発見(2018年3月27日リリース)、2018年5月には加水分解ユーグレナエキスの表皮細胞への効果の発見(2018年10月16日リリース)を行うなど、大湖が整備を進めたヒト細胞を使った研究は学会や当社事業に大きな貢献をもたらしている。
産育休を経て、美容商品の魅力を
伝える営業に部署異動
研究を専門的に実施する仲間も加わり、ヒト細胞を使った研究が安定しはじめた2017年夏、子どもを授かっていた大湖は産休に入った。
「印象的だったのが、上司や仲間に妊娠を報告した際、みんな「おめでとう!」と自分のことのように喜んでくれたことでした」
1児を出産し、2018年5月に職場に復帰した大湖は、当時の上司である執行役員の鈴木と面談し、部署異動の打診を受ける。
「美容商品の分野に力を入れていきたいので、営業職としてユーグレナという素材や商品の魅力について顧客にエビデンスを持って語ってもらえませんか」
大湖は、これまで経験したことのない職種である営業職に少し不安もあったが、実際に自ら研究して得たエビデンスを顧客に訴求することで素材や商品の魅力を伝えることができるのは魅力的だと思ったという。
「ぜひチャレンジさせてください」
現在、大湖は美容商品のOEM(他社ブランドの製品を製造する)事業に従事している。当初は仕事で扱う数字の単位が「μ(マイクロ)やn(ナノ)」から「億」に変わり、慣れないこともあったというが、現在は営業の業務に加え、研究職の経験を活かし、新商品の開発などにも取り組んでいる。
営業へ異動になり実感したのは、エビデンスを持って丁寧に魅力を伝え、ご理解いただいた上で実際に使用したお客様には、より強く素材や商品の良さを体感してもらえるということだ。19年8月には全国の顧客を回り、改めてユーグレナの魅力を訴求した。
今後も、より多くのお客様にユーグレナの良さを実感していただくため活動していきたいと考えている。
2019年9月掲出
euglena Data
~肌に有効成分を効率的に届ける「ユーグレナ・コンプレックス」~
登場人物
- 素材・海外営業一課大湖 菜央子
-
2015年7月、中途入社。入社後、研究職としてユーグレナの機能性研究に従事。2017年8月から出産休暇に入り、2018年5月研究職に復帰。2018年7月から営業職に異動し現職。
「ユーグレナの研究から商品開発、営業という一連のプロセスにすべて携わることができたのは貴重な経験でした。今後はこれまでの経験を活かして、良い商品をより多くのお客様にお届けできるよう取り組んでいきたいと考えています」
euglena Projects
vol.00
バングラデシュの子どもたちを
救う素材を探せ。
vol.01
誰もなし得ていない、ユーグレナの
屋外大量培養技術を確立せよ。
vol.02
ユーグレナを
300億円市場に育て上げよ。
vol.03
バングラデシュの
全ての小学校に給食を。
vol.04
煙突から排出されるCO2で
ユーグレナを培養せよ。
vol.05
ユーグレナの化粧品事業を
立ち上げよ。
vol.06
日本初のバイオジェット燃料
製造プラントを建設せよ。
vol.07
「ミドリムシ」の名前を
武器にせよ。
vol.08
中国にユーグレナを
普及せよ。
vol.09
スーパーユーグレナを
獲得せよ。
vol.10
バングラデシュの
貧困問題を
緑豆事業で解決せよ。
vol.11
ユーグレナでタケダと
新商品を開発せよ。
vol.12
下水処理場の下水を活用し、
ユーグレナを培養せよ。
vol.13
ユーグレナの仲間の
「行動指針」を作成せよ。
vol.14
日本独自の技術で、
ユーグレナを培養せよ。
vol.15
仲間がより働きやすい
オフィスを追求せよ。
vol.16
ゆーぐりん保育園を
オフィスに併設せよ。
vol.17
ユーグレナで石垣島の
地域活性化に貢献せよ。
vol.18
ユーグレナの認知度を上げる
新商品を共同開発せよ
vol.19
ユーグレナのカフェを
石垣島で開店せよ。
vol.20
ユーグレナを飼料にして
比内地鶏を育成せよ。
vol.21
ユーグレナ入りディーゼル燃料を
いすゞ自動車と共同で実用化せよ。
vol.22
ユーグレナを使った
バイオ燃料を生産せよ。
vol.23
研究系ベンチャーを
ヒト、モノ、カネで支える
新しいファンドを確立せよ。
©2018 MELTIN MMI
vol.24
ユーグレナとクロレラで世界初の
ASC-MSC藻類認証を取得せよ。
vol.25
グループ企業との
シナジーを構築せよ。
vol.26
新しい仲間と、
遺伝子レベルで人を健康にせよ。
vol.27
自由が丘と
ユーグレナを普及せよ。
vol.28
ユーグレナサプリメントの
加工工場を立ち上げよ。
vol.29
理科のチカラで石垣島の
地域活性に貢献せよ。
vol.30
新しいユーグレナの
基幹化粧品を開発せよ。
vol.31
ロヒンギャ難民の
食料問題解決に貢献せよ。
vol.32
ユーグレナ由来の美容成分を
研究解明せよ。
vol.33
学生のチャレンジを応援!
通年採用を開始せよ。
vol.34
ユーグレナとクロレラで
ハラール認証を取得せよ。
vol.35
健康寿命を伸ばすユーグレナの
可能性を発見せよ。
vol.36
竹富島のクルマエビ養殖事業を
発展させよ。
vol.37
「G20軽井沢」にてユーグレナバイオディーゼル燃料で自動車を走らせよ。
vol.38
石垣島ユーグレナの魅力を伝えるキャラクターを企画せよ。
vol.39
CFO(最高未来責任者)を募集・選考せよ。
vol.40
国産カラハリスイカを
栽培せよ。
vol.41
日本初となる「バーチャルオンリー
株主総会」を開催せよ。
vol.42
次世代バイオディーゼル燃料を
普及させよ。
vol.43
コーポレート・
アイデンティティを刷新せよ。
vol.44
石垣島生まれの
ユーグレナを浸透させよ。
vol.45
ユーグレナ由来の
肥料研究を加速させよ。
vol.46
日本の空をバイオ燃料で
クリーンにせよ。
vol.47
オフィス環境を改善し、
仲間の生産性を向上させよ。
vol.48
化粧品における
サステナビリティを追求せよ
vol.49
次の新素材「ミドリ麹」の
価値を世に拡げよ。
vol.50
ユーグレナの
ESG経営を加速させよ
vol.51
未来世代アドバイザリーボードを
設置せよ。