研究内容
ヒト科学研究所では、ヒトの生体、健康に関する最新動向をとらえながら、微細藻類ユーグレナをはじめとした原料素材が、食品・化粧品としてどのように私たちの健康や美容を支えてくれるのか、国内外の共同研究先とも連携しながら、日夜研究に励んでいます。また、ユーグレナなどを由来とし、ヒトの健康維持・増進に対して、より高い効果を届けられるような新原料素材の開発を推進します。
そして、ユーグレナの素材としての可能性を追求し続ける一方、生涯にわたる健康の実現を目指していく中で、ヒトとは何か、健康とは何かを科学的に考察し、より深く理解するための研究を行い、事業に活かすことで、人と地球が健康である世界の実現に挑戦していきます。
所長メッセージ
ユーグレナ社は、生涯にわたる健康の実現を目指しています。根本的に健康寿命と平均寿命の乖離を縮めることを考える場合、起こった症状・不調に対して対症療法的に対処するのみならず、症状・不調自体が起こらないような恒常性を保った心身づくりが重要です。恒常性を保った心身づくりが実現された結果、やりたいと思ったことにまっすぐに向き合えたり、他者にやさしくなれたりと、ヒトの前向きなエネルギーを最大化できるのではと考えます。微細藻類ユーグレナをはじめとした素材は、その実現の一助になります。ユーグレナをお手に取ってくださった皆様に、声を出せないユーグレナの代わりに、ユーグレナがどのように皆様のお役に立てるのか、いいところをお伝えすべく研究し続けます。そして、ヒトの健康とは何かを常に考え、画期的なソリューションを提供し続けていきたいと思います。
ヒト科学研究所
所長 中島 綾香
研究事例紹介
ユーグレナの経口摂取がストレスによる諸症状や睡眠の質に及ぼす影響
臨床試験により、微細藻類ユーグレナ粉末を継続的に摂取することで、作業ストレス負荷がかかっている際の自律神経バランスの調整やイライラ感・緊張感の抑制、睡眠の質の改善を示す研究結果を確認しました。
本研究結果は、心身の疲労やストレス、睡眠不足などの現代人が抱える複合的な健康不安を解決し、根本から健康へ導く可能性を示しています。
- 研究内容
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ヒトの体内ではストレスから身体を防御するために自律神経系や内分泌系、免疫系のバランスをコントロールすることで身体を一定の状態に保っています。しかし、過度なストレスにより自律神経のバランスが崩れると、ストレスに対する抵抗力が弱まり、睡眠の質や意欲の低下などのさまざまな身体的・精神的症状が起こります。
今回の研究では微細藻類ユーグレナの摂取が、作業ストレス負荷をかけた際の自律神経、心理面、睡眠の質等の各種指標にどのように影響を及ぼすかを評価しました。 その結果、作業ストレス負荷がかかっている際の自律神経バランスの調整やイライラ感・緊張感の抑制、睡眠の質の改善を示すこと確認しました。
パラミロンが免疫調整に及ぼす影響
微細藻類ユーグレナに含まれる貯蔵多糖パラミロンが、ユーグレナの免疫調節機能の主成分であることを示唆する研究結果を確認しました。具体的には、「パラミロン高含有ユーグレナ」と、独自のゲノム編集技術を活用して作出した「パラミロンを蓄積しないユーグレナ」を比較したところ、「パラミロンを蓄積しないユーグレナ」では免疫調節機能が顕著に低下していることが明らかになりました。
- 研究内容
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これまでの研究を通じて、微細藻類ユーグレナの継続摂取により、主にユーグレナに含まれるパラミロンを関与成分のひとつとして、免疫バランスを保ち、インフルエンザウイルス感染症状を緩和する可能性や、関節リウマチの症状を緩和する可能性等を明らかにしてきました。また、その作用メカニズムのひとつとして、パラミロンが腸管内の免疫細胞に直接作用する可能性を発表してきました。
今回の研究では、ユーグレナ社が2019年に発表した独自の高効率ゲノム編集技術を活用して作出した「パラミロンを蓄積しないユーグレナ」が免疫系に及ぼす影響を調べることで、パラミロンの免疫系への関与のさらなる考察を行いました。 その結果、「パラミロン高含有ユーグレナ」添加では、T細胞とB細胞の活性化がみられ、免疫系への関与が確認された一方で、ゲノム編集で作出した「パラミロンを蓄積しないユーグレナ」添加ではT細胞とB細胞の活性化はみられず、免疫系への関与が確認されませんでした。