euglena Project

09

Acquire super-Euglena.

バイオ燃料低コスト化に向けた
油の含有量が多い微細藻類ユーグレナの品種改良法の開発

2014.10-2017.03

Done

前例がないユーグレナの品種改良法の開発

同じユーグレナでも種類ごとに特徴が異なり、栄養素を多く含むユーグレナもいれば、油を多く含むぽっちゃりした形のユーグレナもいる。

―2014年。ユーグレナの可能性に興味を持ち、研究員として入社した岩田は思案していた。
「バイオ燃料事業の実現に向け、油を多く含むユーグレナだけを効率的に選び出し、大量に培養することができれば…」
植物のように光合成(水とCO2)で育つユーグレナをバイオ燃料の原料として活用できれば、理論上は石油と比べて大気中のCO2を増やさない。ユーグレナはまさに地球に優しい燃料になるのだ。

そう考えていた矢先だった。
2014年10月、内閣府が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)が、産業や社会のあり方に大きな変革をもたらす革新的な研究テーマの募集を開始し、偶然にも合田プログラムマネージャーから当社に声がかかった。
「ユーグレナの中には、まだ見つけることができていない性能の良い特別なユーグレナが存在するはずです。ユーグレナの研究を続けるユーグレナ社と私で一緒に探してみませんか?」

当時、当社を含めてどの研究機関もユーグレナを品種改良できた例はなかった。なぜならばユーグレナは遺伝子組み換えが難しく、その他の品種改良の方法も当時確立されていなかったからだ。
しかし、ユーグレナに特殊な変化を与えることで、おそらく池や川など淡水に住む野生の品種とは違う特徴をもつ個体を含む集団を出現させることが可能。そして、その中から特定の特徴をもつユーグレナを選び出す技術があればバイオ燃料向けに油の含有量が多い品種をつくり出せるのではないか、とのことだった。

こうして、数多いるユーグレナの中でもバイオ燃料生産に適した特徴を持つユーグレナ、すなわち「スーパーユーグレナ」をつくり出す研究が岩田をリーダーとしたチームで始まった。

Iwata at the time of 2015

二人三脚で行うユーグレナの研究

The ImPACT program lasts only two and a half years.
"If we don't manage to achieve results in this limited period ..."
Iwata made a research plan from scratch and proceeded with the experiment.

まずは、人為的に油の含有量が多いユーグレナを作り出せるか実験した。
ユーグレナに強制的に変化を与えることで、野生の品種とは異なる様々な特徴をもつユーグレナを作り出すことができるという仮説のもと、重イオンビーム*をユーグレナに照射することにした。重イオンビームを利用できる機関は日本でもかなり限られており、当社は理化学研究所に協力を仰いだ。

*加速された高エネルギーを持つ鉄イオンを照射し、ユーグレナのゲノムに特殊な変化を与える。

「照射が強すぎるとユーグレナは死んでしまうし、照射が弱すぎると株によい変化を与えられない…」
ユーグレナに重イオンビームを照射するのは初めての試み。なんと、1回目の実験では照射が強すぎてユーグレナが全滅。さらに、重イオンビームは他の研究者もよく使う実験装置であるため、一度実験に失敗すると3カ月待たねばならなかった。
岩田は、極力少ない回数で成功できるように、重イオンビームの当て方について論文を読んで仮説・検証を繰り返し、なんとか1年で野生の品種とは異なる特徴を持つユーグレナが含まれる集団をつくりだすことに成功した。

次は、重イオンビームでつくり出した野生の品種とは異なる特徴を持つユーグレナを含む集団から、油の含有量が多いユーグレナを選び出す手法を探し、実験した。
ある日、岩田がどのようにして特定のユーグレナを選び出すのがよいか考えていたところ、合田プログラムマネージャーからこんな提案があった。
「セルソーターを使えば、特定のユーグレナを選別できるかもしれないですよ」
セルソーターは、さまざまな種類の細胞から特定の細胞を選び出すための装置。もちろんユーグレナを試した前例はなかったが、とにかくやるしかない。早速、同僚でありともにImPACTのプロジェクトを進めているベテラン研究員の山田に相談すると、山田はこう言った。
「岩田さん、油の含有量が多いユーグレナなら選抜可能かもしれないです。試してみましょう」

セルソーターを初めて試した日…。またもや膨大な数のユーグレナが死んでしまった。
その後、数か月の原因検証の結果、ユーグレナの細胞が大きいのでノズルにひっかかって死んでしまうことがわかった。その原因が分かったことで岩田は山田とともに、セルソーターのノズルの大きさを調整することで、特定のユーグレナだけを選びだす手法を開発した。
「山田さん、やりましたね!この中から油の含有量が多いユーグレナを効率的に選び出すために、油が蛍光色に染まる試薬でユーグレナを染めて、蛍光強度の違いを利用してよく光るユーグレナだけを取り出しましょう!」

特定のユーグレナだけをセルソーターで選び出す手法を見つけた岩田と山田は、より蛍光強度が強いユーグレナを何回か分けて選出し、育てる作業を繰り返した。

そして2015年6月のある朝、岩田が鶴見のラボに出社すると、山田が言った。
「とれたかもしれない…油の含有量が多いユーグレナ!」
「本当ですか…!」

油脂含有量の比較
新しく取れたユーグレナは油の含有量が通常より40%多かった

こうして、チーム岩田は世界で初めて油の含有量の多いユーグレナを品種改良により獲得し、特定のユーグレナを選抜する方法を世界で初めて確立した。また、野生のユーグレナより約40%も油を多く含むユーグレナを獲得することに成功した。

With the contributions of these two people, we are accelerating the commercialization of biofuels in 2020.

Posted in October 2017

Euglena Data

-About the selection method of "Super Euglena"-

Character

Research and Development Department
Research Planning and Development Section Chief
Osamu Iwata

2013年4月、研究員として入社。2014年からユーグレナなどの品種改良に携わる。

「これからも色々なユーグレナを探して、世界を変えられるような研究成果を出し続け、バイオ燃料事業実現に貢献します。」

euglena Projects

vol.00

Bangladeshi children
Find the material to save.

vol.01

Euglena that no one has achieved
Establish outdoor mass culture technology.

vol.02

Euglena
Grow it into a 30 billion yen market.

vol.03

Bangladesh
Lunch for all elementary schools.

vol.04

With CO2 emitted from the chimney
Cultivate Euglena.

vol.05

Euglena cosmetics business
Get up.

vol.06

Japan's first bio-jet fuel
Build a manufacturing plant.

vol.07

The name of "Euglena"
Use it as a weapon.

vol.08

Bringing Euglena to China
Spread it.

vol.09

Acquire super-Euglena.

vol.10

Solve the poverty issue in Bangladesh with the Mung Bean Project.

vol.11

Euglena with Takeda
Develop new products.

vol.12

Utilizing sewage from sewage treatment plants,
Cultivate Euglena.

vol.13

Create a set of guiding principles for euglena’s employees.

vol.14

Japan's unique technology
Cultivate Euglena.

vol.15

Aim to create an office that promotes a pleasant working environment for our employees.

vol.16

Establish the Yugurin Nursery School next to our office.

vol.17

Euglena in Ishigaki Island
Contribute to regional revitalization.

vol.18

Raise awareness of Euglena
Jointly develop new products

vol.19

Euglena cafe
Open a store on Ishigaki Island.

vol.20

Using Euglena as fodder
Raise Hinai chicken.

vol.21

Euglena-containing diesel fuel
Collaborate with Isuzu Motors to put it into practical use.

vol.22

using Euglena
Produce biofuel.

vol.23

研究系ベンチャーを
ヒト、モノ、カネで支える
新しいファンドを確立せよ。

© 2018 MELTIN MMI

vol.24

The world's first Euglena and chlorella
Get ASC-MSC algae certification.

vol.25

Build synergy with group companies.

vol.26

With new friends
Make people healthy at the genetic level.

vol.27

Jiyugaoka and
Popularize Euglena.

vol.28

Euglena supplement
Start up a processing plant.

vol.29

Contribute to community revitalization on Ishigaki Island through the power of science.

vol.30

new Euglena
Develop core cosmetics.

vol.31

Contribute toward solving food shortages among Rohingya refugees.

vol.32

Beauty ingredients derived from Euglena
Unravel your research.

vol.33

Supporting students in taking on challenges!
Start all-year-round recruitment.

vol.34

Euglena and Chlorella
Get halal certification.

vol.35

Euglena that extends healthy life expectancy
Discover possibilities.

vol.36

Taketomi Island prawn farming business
Develop.

vol.37

Drive your car on Euglena biodiesel fuel at the G20 Karuizawa.

vol.38

Plan a mascot character to communicate the appeal of Euglena from Ishigaki Island.

vol.39

Recruit and select CFOs (Chief Financial Officers).

vol.40

Domestic Kalahari watermelon
Cultivate.

vol.41

Japan's first "virtual only
Hold a general meeting of shareholders.

vol.42

next-generation biodiesel fuel
popularize it

vol.43

Corporate
Renew your identity.

vol.44

Born in Ishigaki Island
Euglena permeate.

vol.45

derived from Euglena
Accelerate fertilizer research.

vol.46

Japan's skies with biofuel
keep it clean.

vol.47

improve the office environment
Make your teammates more productive.

vol.48

in cosmetics
Pursue sustainability

vol.49

Next new material "Midori Koji"
Spread your value to the world.

vol.50

ユーグレナの
ESG経営を加速させよ

vol.51

未来世代アドバイザリーボードを
設置せよ。