euglena Project

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ユーグレナ由来の
肥料研究を加速させよ。

微細藻類ユーグレナを介した資源循環型農業の実現

2021.04 –

継続中

サステナビリティ達成を目指す
イノベーションの創出を

2021年4月、佐賀県佐賀市に微細藻類ユーグレナを活用した肥料の研究および、微細藻類ユーグレナを介した資源循環型農業の実現を目指すための研究用農地が誕生した。『サステナブルテック・ファーム』と名付けられたこの農地は、2000㎡の面積を有し、その広さはテニスコート約10面分になる。

これまでもユーグレナ社と佐賀市とは、2015年5月に開始した『B-DASHプロジェクト(国土交通省の下水道革新的技術実証事業)※1』という共同研究事業からつながりがあった。このプロジェクトでは、下水処理の過程で発生するCO2を有効活用し、微細藻類を飼料や肥料等へ利用する可能性を検討し、研究をしてきた。
使用する下水は佐賀市下水浄化センターの提供であるため、佐賀市とは密接に連携を図りながら研究を進めていた。その研究成果を活かして新たに資源循環型農業に関する研究を始めるために開設されたのが、この『サステナブルテック・ファーム』である。

※1 2015年5月13日のニュースリリース:「国土交通省が実施する下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)での選定について
https://www.euglena.jp/news/n20150513/

佐賀市にある研究用農地『サステナブルテック・ファーム』

入社わずか5年目で所長に就任
少数精鋭の仲間とともに奮闘

『サステナブルテック・ファーム』がある資源サーキュラー技術研究所の所長は花城拓史である。花城は2017年4月に新卒仲間として入社し、その年の秋にはすでに佐賀拠点に配属となった生え抜きである。5年目となる2022年に所長に就任した。

「佐賀拠点に配属されて最初に取り組んだのは、『B-DASHプロジェクト』に関する研究です。下水を使って藻類を育てるという研究内容にすごく惹かれました。私はもともと大学の農学部で排水処理の研究をしていて、農学の知識が少しあったということもあり、そのまま現在の研究に携わることになりました」

入社5年目にして所長に就任し、周りからは大抜擢と称えられることもあったが、花城はあくまでフラットだ。
「資源サーキュラー技術研究所に所属する研究員は現在3人ぽっちの、少人数の施設ですし、私は佐賀にいるのが長いですからね。下水の研究をしているときから周辺の農家さんとたくさんコミュニケーションをとらせていただき、この土地に根付いた活動をしてきました。それにより、『サステナブルテック・ファーム』のための土地が確保でき、また研究を手伝ってくださる農家さんと関係を築くことができ、新たな研究を始めることができたんだと思います」

花城が『サステナブルテック・ファーム』で主に取り組んでいるのは、微細藻類ユーグレナやクロレラなどの原料を肥料として活用して野菜を育てた際に、その生育にどのような影響があるのかという研究だ。この微細藻類を原料とした肥料によって野菜がよく育ったときは、やはり研究者冥利に尽きるという。
「もちろん何の差も出ないときもありますが、やっぱり効果を目に見えて実感できるときは嬉しいですね」

研究の一環として育てる野菜は、コマツナ、ニンジンを始め、ジャガイモやトウガラシ、タマネギなど多岐に渡る。
「畑が2000㎡ありますから、少人数のメンバーだけでは農作業が大変なんですが、野菜がたくさん収穫できた際は東京の田町オフィスに送ったり、ポケットマルシェなどで販売したりしています」と花城は笑う。

田町オフィスに届いた『サステナブルテック・ファーム』産のジャガイモ

目指すは農業資材としての
ユーグレナブランド
資源の循環につながる農業へ

以前より、ユーグレナ社では『バイオマスの5F』という事業戦略を推進している。この戦略は、Food(食料)、Fiber(繊維)、Feed(飼料)、Fertilizer(肥料)、Fuel(燃料)といった、バイオマスの5つの用途について、重量単価の高いものから低いものへと順次事業を展開していくことで、バイオマスの生産コスト低減とバイオマスの利用可能性の拡大を推進するというものだ。

バイオマスの5F

『サステナブルテック・ファーム』の研究は、5Fのうち“Fertilizer(肥料)”にあたり、新たな用途での微細藻類ユーグレナの活用が期待されている事業。社内でも注力している事業に携わることに対し、花城は静かな熱意を語る。

「『サステナブルテック・ファーム』ができたことはもちろん研究にとってはプラスの出来事です。ただ、あくまで研究用の農地ですので、私たちの目標である“微細藻類ユーグレナを介した資源循環型農業”を実現させるための一歩に過ぎません。目標を実現させるためには、まずは農業資材のなかにユーグレナブランドをつくることが先決。ここが今達成すべきファーストステップだと思っています。
ゆくゆくは、多くの人の中に『ユーグレナ社に廃棄物を持ち込めば廃棄コストを軽減でき、さらに、これまでただ廃棄していただけだったものを資源として有効活用してくれる』というイメージが浮かぶようになることが、私たちの理想です」

「サステナブルテック・ファーム」の研究者たちは今日も理想の未来を目指し、少数精鋭で奮闘している。研究が実を結ぶ日を、心待ちにしたい。

2023年1月掲出

euglena Data

~サステナブルテック・ファーム~

詳細はこちら

登場人物

R&Dカンパニー
資源サーキュラー技術研究所
所長
花城 拓史

2017年4月に新卒として入社。
三重拠点を経て佐賀拠点での研究に従事。
「国産資源に乏しい日本という国にとって、ごみという存在を極力なくし、余すことなく資源を利活用することは、本当に大切なことだと思います。最終的には日本にとどまらず人間が地球とともに歩んでいくために資源循環は必ず必要な技術となります。
我々は自社素材・社内の未利用資源に関わらず、社会にあふれる未利用資源をも有用に扱うことができるようになることで、持続可能な循環型研究・循環型社会が実現できる企業となるべく、研究を推進していきたいと思っております。」

euglena Projects

vol.00

バングラデシュの子どもたちを
救う素材を探せ。

vol.01

誰もなし得ていない、ユーグレナの
屋外大量培養技術を確立せよ。

vol.02

ユーグレナを
300億円市場に育て上げよ。

vol.03

バングラデシュの
全ての小学校に給食を。

vol.04

煙突から排出されるCO2
ユーグレナを培養せよ。

vol.05

ユーグレナの化粧品事業を
立ち上げよ。

vol.06

日本初のバイオジェット燃料
製造プラントを建設せよ。

vol.07

「ミドリムシ」の名前を
武器にせよ。

vol.08

中国にユーグレナを
普及せよ。

vol.09

スーパーユーグレナを
獲得せよ。

vol.10

バングラデシュの
貧困問題を
緑豆事業で解決せよ。

vol.11

ユーグレナでタケダと
新商品を開発せよ。

vol.12

下水処理場の下水を活用し、
ユーグレナを培養せよ。

vol.13

ユーグレナの仲間の
「行動指針」を作成せよ。

vol.14

日本独自の技術で、
ユーグレナを培養せよ。

vol.15

仲間がより働きやすい
オフィスを追求せよ。

vol.16

ゆーぐりん保育園を
オフィスに併設せよ。

vol.17

ユーグレナで石垣島の
地域活性化に貢献せよ。

vol.18

ユーグレナの認知度を上げる
新商品を共同開発せよ

vol.19

ユーグレナのカフェを
石垣島で開店せよ。

vol.20

ユーグレナを飼料にして
比内地鶏を育成せよ。

vol.21

ユーグレナ入りディーゼル燃料を
いすゞ自動車と共同で実用化せよ。

vol.22

ユーグレナを使った
バイオ燃料を生産せよ。

vol.23

研究系ベンチャーを
ヒト、モノ、カネで支える
新しいファンドを確立せよ。

©2018 MELTIN MMI

vol.24

ユーグレナとクロレラで世界初の
ASC-MSC藻類認証を取得せよ。

vol.25

グループ企業との
シナジーを構築せよ。

vol.26

新しい仲間と、
遺伝子レベルで人を健康にせよ。

vol.27

自由が丘と
ユーグレナを普及せよ。

vol.28

ユーグレナサプリメントの
加工工場を立ち上げよ。

vol.29

理科のチカラで石垣島の
地域活性に貢献せよ。

vol.30

新しいユーグレナの
基幹化粧品を開発せよ。

vol.31

ロヒンギャ難民の
食料問題解決に貢献せよ。

vol.32

ユーグレナ由来の美容成分を
研究解明せよ。

vol.33

学生のチャレンジを応援!
通年採用を開始せよ。

vol.34

ユーグレナとクロレラで
ハラール認証を取得せよ。

vol.35

健康寿命を伸ばすユーグレナの
可能性を発見せよ。

vol.36

竹富島のクルマエビ養殖事業を
発展させよ。

vol.37

「G20軽井沢」にてユーグレナバイオディーゼル燃料で自動車を走らせよ。

vol.38

石垣島ユーグレナの魅力を伝えるキャラクターを企画せよ。

vol.39

CFO(最高未来責任者)を募集・選考せよ。

vol.40

国産カラハリスイカを
栽培せよ。

vol.41

日本初となる「バーチャルオンリー
株主総会」を開催せよ。

vol.42

次世代バイオディーゼル燃料を
普及させよ。

vol.43

コーポレート・
アイデンティティを刷新せよ。

vol.44

石垣島生まれの
ユーグレナを浸透させよ。

vol.45

ユーグレナ由来の
肥料研究を加速させよ。

vol.46

日本の空をバイオ燃料で
クリーンにせよ。

vol.47

オフィス環境を改善し、
仲間の生産性を向上させよ。

vol.48

化粧品における
サステナビリティを追求せよ

vol.49

次の新素材「ミドリ麹」の
価値を世に拡げよ。

vol.50

ユーグレナの
ESG経営を加速させよ

vol.51

未来世代アドバイザリーボードを
設置せよ。