ヘルプ・ザ・チルドレン財団のイフタール・プログラム【2024年3月の活動報告】
今月は、GENKIプログラムのパートナー団体の1つである「ヘルプ・ザ・チルドレン財団」(HCF)の心温まる取り組みをご紹介します。
1.ヘルプ・ザ・チルドレン財団(HCF)のイフタール・プログラム
HCFの活動は、GENKIプログラムにも相通じるものがあります。特徴的な取り組みのひとつが、イフタールの食事提供です。
イフタールは、世界中のイスラム教徒にとって重要な行事です。イスラム教の聖なる月であるラマダン(断食月)の、日中の断食の終わりにとる食事を意味します。HCFのイフタールの食事提供プログラムは、地域の人々の思いやりで成り立っています。
アリフ事務局長が率いるHCFが食事提供プログラムを始めたのは、とある家族の状況を目にしたことがきっかけでした。HCFの学校の生徒である3人の兄弟が、食事をとらずに過ごしていることを知りました。子ども達は、唯一の働き手である祖母が病に倒れたため、食事のためのお金がなく、極度の飢えに苦しんでいたのです。アリフ氏は、そんな兄弟を見て、食事提供プログラムを開始する必要性を強く感じました。そこで、地元の資金を集め、イフタールの食事提供プログラムを開始したのです。2015年に始まった時には、30人程度でしたが、今では1日あたり2,500人を支援するまでに増えています。
HCFのイフタール・プログラムは、老若男女に関係なく、地域住民、ホームレス、子ども達、すべての人を受け入れています。プログラムは首都ダッカの9カ所と地方都市チッタゴンの1カ所で開催され、ラマダン月の食事提供数は約10万食にのぼります。
イフタールの食事は、水、ジュース、デーツ(ナツメヤシの実を乾燥したドライフルーツ)、ご飯、牛肉と鶏肉が日替わりで提供されます。
食事会場では、各席に番号をふり、参加者が時間通りに着席しイフタールを楽しめるようにしています。ごみ箱が用意され、清潔に食事を取るよう、参加者に働きかけています。多くの場合、参加者は食事の一部を自宅に持ち帰り、家族とも分かち合います。
このイフタール・プログラムは、どの様に成り立っているのでしょうか。毎月300タカ(約400円)を寄付する2,700人の善意と、個人や組織からの不定期の寄付が、活動を支えています。例えば、地域住民である主婦のアンワラさんは、自分の寄付が貧しい人々の食事に役立っていることを実感し、継続的に寄付をしています。
また、この大規模なプログラムを後方で支援するのは、1日あたり約20人のボランティアです。彼らが、食事の提供や配席、片づけをサポートしています。学生のホセインさんは、困っている人たちに直接関わり貢献する機会を得ることで、強い満足感を得ながらボランティアに取り組んでいます。
支援を受けている人達は様々です。リキシャを引くベラルさんは、栄養価の高いイフタールを楽しめるプログラムに、大変感謝しています。シングルマザーのラヒマ・カトゥンさんも、子ども達と一緒にイフタールの集いに参加できることをありがたく感じています。
アリフ氏は、断食後のイフタールには、おいしく幸せな食事をとるべきだと考えています。彼の夢は、2027年までにプログラム下に1万人を受け入れ、いずれ国中の飢餓をなくすことです。
このイフタール・プログラムは、HCFがコミットする栄養プログラムの一環で、他にも様々な取り組みがあります。HCFが管理する3つの学校の子ども達も、2018年からユーグレナクッキーを受け取っています。「栄養価の高いビスケットは、子ども達の健康的な食事に役立っている」と、HCF学校プログラムのコーディネーターであるアニック氏は話してくれました。
GENKIプログラムは今後も子どもたちを支援してまいります。
2. 2024年3月の活動報告
3月はGENKIプログラム対象校のうち、92校の約10,640人に対し、19万食のユーグレナクッキーを配布しました。
引き続きのご支援をどうぞよろしくお願い致します。
2024年4月以降の活動報告は、四半期ごとの公開となります。次回は、2024年4月~6月の活動報告を8月に公開予定です。