夢は教師! 線路沿いのスラムで暮らすズバイル君
【2023年3月の活動報告】

人口密度が高い首都ダッカでは、国営鉄道の線路沿いにもスラム街が広がっています。スラム街のすぐそばを多くの列車が走るため安全ではなく、砂埃、騒音や振動、列車のエンジンの排出ガスにも悩まされるため、生活環境は良くありません。
今回のGENKIレポートでは、そんなスラム街に住みながらも教師を目指して元気に学ぶ、GENKIプログラムの提携校の子どもを紹介します。

1.夢は教師! 線路沿いのスラムで暮らすズバイル君

7歳のズバイル君は、両親、祖母、4人の兄弟姉妹と一緒に、ダッカ南部のマリバグ駅近くの線路沿いのスラム街に住んでいます。

自宅前で、家族と一緒のズバイル君
自宅で、兄弟姉妹でおままごと。広さは2平米弱

ズバイル君の家族は、もともとダッカ南西に位置するファリドプル県に住んでいましたが、2020年にガンジス川の支流であるパドマ川の氾濫で自宅を失いました。このため一家でダッカへ移り、線路沿いのスラム街で暮らし始めたのです。

ズバイル君の自宅近くの様子。列車は間近、大きな音も聞こえる

ズバイル君の父は建設作業員で、母は家政婦として働いています。世帯収入は約2万5000円で、医療費、学費、家賃を賄うので精一杯です。それでもズバイル君の両親は、子どもたちの学業や家計を支えるために、懸命に働いています。
ズバイル君が通うのは、GENKIプログラムの提携校、TCM財団 が運営するTCMシシュニル学校です。この学校に通う88人の子ども達の多くが、ズバイル君と同じく線路沿いのスラム街に住んでいます。

同校の生徒たちと、学校前で(左)/学校への入り口(右)

ズバイル君は、線路を15分ほど歩いて同校に通っています。線路沿いの通学は、簡単ではありません。日本のように踏切や安全柵は整っておらず、線路の上を歩いている間に突然列車が通過することもあります。子ども達は十分注意して通学するしかありません。

線路を歩いて通学するズバイル君
線路沿いでクラスメイトと

ズバイル君の家族が彼に同校を選んだ理由は、自宅から近いことだけではなく、教材やランドセルの支給のほか、ユーグレナクッキーなどの食事を提供してくれるからでした。
ズバイル君は学校が大好きです。得意科目は国語で勉強熱心な彼は、放課後に課外授業を受けることもあります。先生たちも、一生懸命勉強するズバイル君の力になりたいと考えています。現在のズバイル君は、努力が認められて学費を免除されているそうです。

クラスメイトと国語を勉強するズバイル君

休み時間には友達と集まり、広い遊び場がなくても、皆で楽しめる手遊びをして過ごします。

友だちと一緒に手遊び

そんなズバイル君の夢は教師になることです。同校の先生達の人柄や行動に影響を受けて、彼らに憧れるようになりました。先生達はズバイル君が学校を休んだり病気になったりすると、彼の家を訪ねてくれるそうです。学校の内外を問わず子ども達と心を通わせる先生達の振る舞いが、ズバイル君は魅力的だと思ったのです。

先生に教わるズバイル君

ズバイル君の両親も、彼が立派な教師になって良い環境で穏やかに暮らせるよう願っています。
ズバイル君は教師になる夢について、こう語ってくれました。「お父さんとお母さんは一生懸命に働いてくれているんだ。だから僕も教師になって、誇れる仕事をしたいんだ。お父さんとお母さんも、応援してくれているから頑張るよ!」

ユーグレナクッキーを食べるズバイル君

GENKIプログラムは今後も子ども達を支援してまいります。

2.新たな協賛パートナー企業の参加

GENKIプログラムは、ユーグレナグループやパートナー企業の商品売上の一部を協賛金に充てています。2023年2月末時点で12社のパートナー企業に参加いただき、対象商品の販売につき1個あたり10円の協賛金を拠出いただいております。そしてこの度、2023年4月より新たに株式会社エッセンスにパートナー企業として参加いただくこととなりました。

GENKIプログラムへの協賛開始に際して代表取締役 安永智子様より以下コメントを頂きました。
「株式会社エッセンスは2016年に自らフランスへ渡り、周産期専門スキンケアブランドのSKINHAPTICS社代表のサンドリーヌ・ダアン氏との出会いから全てが始まりました。そこでフランス人女性の考え方と在り方に共感し、これらを日本人女性にも広めたいと思い、【アンダーリップトリートメント®を日本の文化にする】を企業理念に掲げ、2018年に創業されました。アンダーリップトリートメント®とは弊社が提唱する新たなフェムケアです。
日本の女性がこの在り方と術(ケア)を手に入れたなら、毎日が充実し、心身が満たされた生活を送ることが出来るのではないのでしょうか。そして弊社が守りたいのは『今』を生きる女性と、『未来』を生きる子ども達です。ユーグレナ社の『必要な栄養素が足りず栄養失調となっているバングラデシュの子ども達が、健康に生活できるような栄養源をみつけたい』という創業理念に共感し、微力ながらこのGENKIプログラムに協力させていただくことで、『未来』を生きる子ども達を救いたいと思い参加させていただきました。」

株式会社エッセンス代表取締役 安永さまとGENKIプログラム対象製品のmanne vi PQQ

今後もパートナー企業の皆さまのご支援とともに、引き続きGENKIプログラムの拡充に努めてまいります。

3.2023年3月の活動報告

3月はGENKIプログラム対象校のうち、90校の約10,700人に対し、18万食のユーグレナクッキーを配布しました。

引き続きのご支援をどうぞよろしくお願い致します。