ユーグレナ社では、ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスのゲノムデータをもとに、さまざまな遺伝子タイプに関する都道府県ランキングを発表してきました。年始に発表したのは、今年(2023年)の干支「卯(うさぎ)」にちなんだランキングです。うさぎの好きな野菜の代表の1つであるニンジンに関するデータに注目し、「ニンジンの摂取頻度が高いとよりやせ型傾向になる遺伝子タイプが多い都道府県ランキング」を公開しました。

■ニンジンに含まれる「カロテノイド」は健康維持に効果的な栄養素

ニンジンには、βカロテン、αカロテン、βクリプトキサンチンなどのカロテノイド系抗酸化物質が豊富に含まれていて、このカロテノイドは動脈硬化の予防や、細胞の老化、がん、糖尿病の抑制に対しても効果があると考えられているほか、BMI(体格指数)や肥満との関連も注目されています。

■ニンジンの摂取頻度とBMI(体格指数)の関連とは?

ジーンクエストと新潟大学医学部血液・内分泌・代謝内科研究室による共同研究で、12,000人以上の日本人を対象にゲノム解析を行い、肥満度に関していくつかの野菜の摂取頻度と相互作用のある遺伝子領域を探索しました。その結果、BMI(体格指数)に関して、ニンジンの摂取頻度と相互作用のある遺伝子型が存在することを発⾒しました。この遺伝⼦型は「SNP:rs4445711」で、「G」を持っているタイプほど、ニンジンを食べる頻度が高いと、BMIが有意に低い傾向があると分かりました。

また、野菜を多く摂取する⼈は肥満になりにくいことが、多くの研究で⽰されていますが、摂取頻度と遺伝⼦型の間に遺伝⼦・環境相互作⽤があるかを⼤規模かつ詳細に検討した報告は、これまでほとんどありませんでした。これらの研究成果は、2021年9⽉30⽇、栄養学の国際専⾨誌「Nutrients」(IF:5.717)に掲載されました。

■遺伝子解析項目「ニンジンの摂取頻度とBMI(SNP:rs4445711)」について

ニンジンの摂取頻度とBMI(体格指数)の関係についての項目で、遺伝子型は次の3つのタイプがあります。

  • ニンジンの摂取頻度が高いとよりやせ型傾向になるタイプ(遺伝子型:GG)
  • ニンジンの摂取頻度が高いとやせ型傾向になるタイプ(遺伝子型:AG)
  • ニンジンの摂取頻度とやせ型傾向は関連しにくいタイプ(遺伝子型:AA)

今回のユーグレナ社の調査では、「ニンジンの摂取頻度が高いとよりやせ型傾向になるタイプ(遺伝子型:GG)」に該当する人の割合を都道府県(出生地)別に算出し、数値化しました。

■「ニンジンの摂取頻度が高いとよりやせ型傾向になる遺伝子タイプ」が多い都道府県ランキング

ニンジンの摂取頻度が高いとよりやせ型傾向になる遺伝子タイプが多い都道府県ランキングTOP10

ゲノムデータの解析結果による、ニンジンの摂取頻度が高いとよりやせ型傾向になる遺伝子タイプの人の割合が相対的に高い都道府県は、1位 鳥取県、2位 宮崎県、3位 島根県、4位 岩手県、5位 長崎県、6位 福井県、7位 福島県、8位 茨城県、9位 秋田県、10位 宮城県となり、上位に山陰地方と東北地方の多くがランクインしました。

ニンジンの摂取頻度が高いとよりやせ型傾向になる遺伝子タイプが多い都道府県ランキング日本地図

【全ランキング結果はこちら】

なお、遺伝子解析項目「ニンジンの摂取頻度とBMI(SNP:rs4445711)」の日本人における遺伝子型の割合は、

  • ニンジンの摂取頻度が高いとよりやせ型傾向になるタイプ(遺伝子型:GG)・・・11.3%
  • ニンジンの摂取頻度が高いとやせ型傾向になるタイプ(遺伝子型:AG)・・・45.7%
  • ニンジンの摂取頻度とやせ型傾向は関連しにくいタイプ(遺伝子型:AA)・・・43.0%

でした。1位の鳥取県はニンジンの摂取頻度が高いとよりやせ型傾向になるタイプ(遺伝子型:GG)が日本人全体よりも約6%も多いことが分かります。ご自身の遺伝子タイプが気になる方は、この機会に「遺伝子解析サービス」でチェックしてみてください。

【調査概要】
調査方法:ゲノムデータの解析をもとに調査
調査対象:「ユーグレナ・マイヘルス 遺伝子解析サービス」、「ジーンクエストALL」の利用者
対象者数:ゲノムデータ:21,371人
調査時期:2022年12月
調査項目:ゲノムデータ「ニンジンの摂取頻度とBMI(SNP:rs4445711)」の項目について、「ニンジンの摂取頻度が高いとよりやせ型傾向になるタイプ(遺伝子型:GG)」に該当する人の割合を都道府県ごとに算出

株式会社ジーンクエスト取締役副社長岩田修
株式会社ジーンクエスト
代表取締役 岩田 修

この項目「ニンジンの摂取頻度とBMI(SNP:rs4445711)」は、私たちユーグレナ・グループが新潟大学との共同研究において、実際に遺伝子解析サービスを受けてくださった広範囲のユーザー様にご協力いただきながら新しく得られた成果です。新しい科学的な発見をユーザーの皆様と一緒に探し、その成果を学術的な範囲だけでなく各個人の皆様にもダイレクトに還元できる仕組みこそ、私たちが提供する遺伝子解析サービスの特徴です。ご協力いただいた皆様に改めて感謝申し上げます。
なぜニンジンを食べる頻度がBMIと関係してくるのか、他の野菜でも同じような関係があるのではないかなど、研究して解明すべきことはまだまだたくさんありますので、引き続き応援いただければ幸いです。

【ユーグレナ・マイヘルス遺伝子解析サービスとは】
個人の健康リスク・体質の遺伝的傾向・祖先のルーツについて300項目以上の遺伝子型を解析するサービスです。太りやすさなどの体質や、がん・糖尿病などの病気発症リスクに関する遺伝子情報、病気の予防のためにできることをチェックできます。詳しくはこちらをご覧ください。

遺伝子解析サービス「ユーグレナ・マイヘルス」
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