毎週末に父親の仕事を手伝うスラム街の子ども
【2022年5月の活動報告②】
2022年5月の活動報告 その②です。①はこちらで公開しています。
ストリートチルドレンを救うダッカのシェルター【2022年5月の活動報告①】
2.毎週末に父親の仕事を手伝うスラム街の子ども
バングラデシュの子どもたちにも、日本と同様に、週末や休暇があります。
ただし、日本と異なり、金曜日と土曜日が休日です。また、1年間に2回、イードの休暇※1があるほか、6月から7月に約1か月間の夏休みがあります。
※1 日本のお盆のような長期祭日で、イスラム教の断食月の終わりを祝う大祭。
子ども達は、週末や休暇にクリケットやサッカーをして遊ぶことが多いそうです。
しかし、スラム街の子どもたちの中には、親の仕事や家事を手伝い、遊ぶ時間もなく、週末を過ごす子どもたちもいます。
ラジブ君は10歳で、ミルプール地区にあるスラム街の1つ、シティ・コロニーの学校に通う3年生です。ラジブ君は、父親と12歳の兄、13歳の姉と一緒に住んでいます。小さな1部屋にベッドが1つあるだけの狭いスペースに4人で暮らしており、炊事場やお風呂場は近所の別の家族と共同で使用しています。
ラジブ君は6歳の頃に母親を亡くしたため、父親は子ども3人を男手一つで育ててきました。
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家はベッドが1つあるだけの小さな部屋
父親は家具の木工所で働いており、1か月の収入は、約21,000円です。
ダッカのスラム街の平均世帯月収約26,000円※2よりも少なく、家計をきりつめながら過ごしています。
1か月の家賃は約7,000円かかります。残りの約14,000円で家族4人生活しなければいけないことを考えると、非常に厳しい状況であることが言えます。
この学校では、1週間に6日間授業があるため、週末は金曜日の1日のみです。
毎週末、ラジブ君は家の近くにある父親の仕事場で、朝8時からお昼まで作業を手伝います。昼食を取りお祈りをした後、再び仕事場に戻り、夕方3時から午後8時まで作業を手伝います。
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幼いころから父親の傍で仕事をよく見ていたため、作業の流れをよく理解しています。
今では、工具を準備したり、木材を運んだりといった作業だけではなく、木の彫刻面をやすりで削るといった仕上げの作業もできるようになりました。
作業スケジュール通りに進めるには父親一人では間に合わないため、ラジブ君は貴重な戦力になっています。
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家具を造るうえで重要な木彫りは難易度も高く、まだできませんが、いつも父親の手作業を近くで見て学んでいます。
家計が厳しいため、仕事を手伝ってもお小遣いがもらえるわけではありません。ラジブ君は父親の苦労を痛いほどよく分かっているため、「ありがとう」という感謝の言葉が何よりうれしい、と言っています。
ラジブ君はこの仕事が好きで、とても誇りに思っています。
「小さな木々のパーツが、装飾され、組み立てられ、大きな家具となってお客さんの家で生き続ける、その一連の流れがとても好きなんだ。いつか、自分の木工所を持ちたい。そのためにも、学校での勉強と仕事を両方頑張りたい」と力強く語ってくれました。

GENKIプログラムは、ラジブ君のような子どもたちにも、ユーグレナクッキーを届けています。
3.2022年5月の活動報告
5月はGENKIプログラム対象校106校のうち93校の約10,300人に対し、20.8万食のユーグレナクッキーを配布しました。

引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。