1年半ぶりの開校を喜ぶ子どもたちと新たな地域でのユーグレナクッキー配布開始【2021年9月の活動報告】
1.2021年9月の活動報告
当社はGENKIプログラムにおいて、コロナ禍の休校期間中、ユーグレナクッキーの配布を再開しました※1。9月はGENKIプログラム対象校83校のうち58校の約7,000人に対し、12万食のクッキーを配布しました。
※1 休校中でも先生方にはクッキー配布の為、学校に来ていただき、プログラムを再開する仕組みを確立しています。コロナ禍におけるGENKIプログラムの活動状況については、2020年8月、2020年10月の活動報告をご参照ください。
※2 例年12月は月の半分以上が冬休みで配布日数が少なくなりますが、2020年度は15日分を1度にまとめて計2回(合計30日分)配布しました。そのため、コロナ禍前の2020年9月期より配布数が多くなっています。
2.1年半ぶりの開校を喜ぶ子どもたち
以前のレポートでもお伝えしている通り、バングラデシュでは新型コロナウイルス感染症によるロックダウン(都市封鎖)のため、学校が1年半もの間休校となっていました。この夏の厳しいロックダウンも解除された 9月12日、実に544日ぶりに学校が条件付きで開校しました。
全国統一進級試験が行われる5年生、8年生は毎日学校に来ますが、そのほかの学年の子どもたちは、原則週に1度の通学で、学年毎に決められた曜日に登校します。
※3 8年生は日本での中学2年生
1年半もの間、クラス全員での授業を受けられていなかった子どもたち、そして先生の喜びは計り知れません。いくつかの学校では、学校再開を祝い風船や仮面が用意され、お祭りのような1日となりました。
保護者も子どもたちが学校での学習再開できることを喜んでいます。特に共働きの家庭では、これまで両親が不在の間も子どもたちが家にいなくてはなりませんでした。OBATイングリッシュ校の5年生であるサディアちゃんの母親は、娘が毎日学校に行けることになり、留守番をさせる心配がなくなったと話してくれました。
学校は授業再開前に、感染対策として掃除や消毒をしっかり行い、子どもたちの通学に備えました。アルコール消毒液も教室の外に設置されています。OBATイングリッシュのスルタナ校長は、「子どもたちの安全が一番です。気を緩めず感染対策を維持するよう、子どもたちに注意を促しています。」と仰っています。
休校中、GENKIプログラムは2週間に一度15日分のクッキーをまとめて配布していましたが、学校再開後は、以前のように学校に来るたびに子どもたちがユーグレナクッキーを受け取る仕組みに切り替えました。毎日学校に来る学年には毎日ユーグレナクッキーを渡し、週に1度しか来られない学年の子どもたちには登校時に1週間分をまとめて渡しています。
しかし懸念も残っています。4年生リファットちゃんの母親は、以下のように述べています。
「子どもたちはみんな学習が遅れてしまっています。1年半もの休校が与えた影響は短期間で取り戻すことはできません。」
学校側もこのことを十分認識しているため、登校するたびに先生に宿題を提出し、先生からのアドバイスをもらったり、口頭で確認テストを行ったりする学習の仕組みを試行錯誤しながら行っている状況です。
一方で、財政的な理由で学校の運営が厳しくなり閉校に追い込まれてしまった学校もあります。GENKIプログラム対象校でも、残念ながらロックダウンの間に6校が閉校となりました。閉校した学校に通っていた子どもたちは少し離れた別の学校に登校することで、継続して教育を受けることができています。
条件付きの学校再開となったため、ロックダウン前の状態に完全に戻ったわけではありません。加えて、政府からの指示により登校する曜日が突然変わるなど、学校現場で混乱も発生しています。GENKIプログラムはこれらの変化に柔軟に対応し、最大限できることを学校側に提供していきます。
3.新たな地域でのユーグレナクッキー配布開始
今月は、9月から新たにGENKIプログラムに参加となったユニークな学校・KMMS小学校を紹介します。KMMS小学校には、GENKIプログラムの活動内容や目標に賛同いただき、活動費の一部を負担いただきながらユーグレナクッキーを配布しています。
GENKIプログラムは首都ダッカを含め7つの地域の学校でユーグレナクッキーを配布していましたが、今回KMMS小学校が参加することにより、新たに「Gopalgonj (ゴパルゴンジ)」という地域が対象地域に加わりました。ここは、ダッカより南に約200km、車で約7時間離れたところに位置しています。シェイク・ハシナ現首相の出身地であることでも知られています。
KMMS校は、東京ドーム約2個分に値する約9haの広大な土地に、小学校、中学校、高校が並び、約700名の子どもたちが学んでいます。学校以外にも、寮、教会、図書館、食堂、野菜や米を栽培する畑などがある環境です。今回は700名の内、極めて貧しい70名の孤児にユーグレナクッキー配布を開始しました。
バングラデシュの国民は、イスラム教徒が大多数を占めますが、同校は1920年にキリスト教プロテスタントの学校として設立されたため、キリスト教の授業があり、日常的に教会で礼拝を行っています。
同校は、厨房で料理した食事を子どもたちに提供していますが、栄養バランスの摂れた食事を提供することが難しく、栄養を補えるような軽食を新たに配りたいと考えていました。バングラデシュでは、「tiffin(ティフィン)」と呼ばれる3食の間にクッキーやスナック菓子などを食べる習慣があるため、この軽食の質を改善することが1つの目標でした。
そんな中、当社の現地メンバーが、同校の寄付者5名に連絡を取りました。彼らは、アジア開発銀行で働いていたり、海外でビジネスを行っていたりと国際的に活躍しています。また、全員KMMS校出身者です。オンラインでのミーティングにて現地メンバーはGENKIプログラムの意義、活動実績やユーグレナクッキーの栄養素などについて説明しました。その結果、ユーグレナクッキーを通じて栄養面から後輩を支援したいとGENKIプログラムの導入を決めて下さいました。
同校には今回配布開始した孤児に加え、寮ではなく自宅から登校している子どもたちの中にもユーグレナクッキーを必要としている厳しい環境の子どもたちがいます。そのため、寄付者の5名はGENKIプログラム対象人数の拡大を検討して下さっています。今後も学校に協力をいただくことで、より多くの子どもたちがユーグレナクッキーを食べられるように、活動して参ります。
引き続きのご支援をどうぞよろしくお願い致します。