北風が冷たい季節になってきました。冬になると天気予報でよく「西高東低の気圧配置」という言葉を耳にしますが、コーヒー好きにも「西高東低」があるようです。
ユーグレナ社では、ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスのゲノムデータをもとに、コーヒーの消費量に関する遺伝子の項目を解析。すると、近畿エリアを中心に西日本の方がコーヒー好きな遺伝子タイプの人が多いことが分かりました。
■ コーヒー好きな遺伝子とは?
今回解析した「コーヒー消費量(SNP:rs671)」という項目は、コーヒーの消費量が多いか少ないかに関するもので、次の3つのタイプがあります。
- 1日のコーヒー消費量がより多いタイプ(遺伝子型:AA)
- 1日のコーヒー消費量が多いタイプ(遺伝子型:AG)
- コーヒー消費量が一般的なタイプ(遺伝子型:GG)
調査では、このコーヒーの消費量に関わる遺伝子型の中で、相対的にコーヒーをより消費すると想定される「1日のコーヒー消費量がより多いタイプ(遺伝子型:AA)」に該当する人の推定割合を都道府県別に算出し、数値化しました。
■ 「コーヒー好きな遺伝子タイプ」が多い都道府県ランキング
ゲノムデータの解析結果による、コーヒー好きな遺伝子タイプの人の割合が相対的に高い都道府県ランキングは、1位 和歌山県、2位 三重県、3位 愛知県、4位 岐阜県、5位 京都府の順になりました。近畿エリアを中心に主に西日本の府県が10位以内に入っています。
【全ランキング結果はこちら】
一方、下位は、青森県(46位)、秋田県(45位)、宮城県(44位)、岩手県(43位)、山形県(42位)の東北エリアと北海道(41位)が並んでいます。今回の調査では、コーヒー好きな遺伝子タイプの人が西日本で多く東日本で少ない「西高東低」の傾向がありそうです。
【調査概要】
調査方法:ゲノムデータの解析をもとに調査
調査対象:「ジーンクエストALL」、「ユーグレナ・マイヘルス 遺伝子解析サービス」の利用者
対象者数:ゲノムデータ:21,371人
調査時期:2020年5月
調査項目:ゲノムデータ:「コーヒー消費量(SNP:rs671)」の項目について、「1日のコーヒー消費量がより多いタイプ(遺伝子型:AA)」の推定割合を都道府県ごとに算出
■ コーヒー好きが多い都道府県には喫茶店も多い!?
総務省統計局が平成28年(2016年)に発表した「平成26年経済センサス‐基礎調査結果」に、人口1千人当たりの喫茶店数を調べたものがあります。
この調査結果によりますと、人口1千人当たり喫茶店数は多い順に、1位 高知県(1.56事業所)、2位 岐阜県(1.43事業所)、3位 愛知県と和歌山県(1.13事業所)、5位 大阪府(1.06事業所)、6位 兵庫県(0.97事業所)、7位 香川県(0.93事業所)、8位 京都府(0.92事業所)、9位 三重県(0.86事業所)、10位 福井県(0.83事業所)と続き、上位を主に西日本が占めています。
さらに、ユーグレナ社が発表した「コーヒー好きな遺伝子タイプが多い都道府県ランキング」上位10位のうち8府県が、人口1千人当たりの喫茶店数(平成26年)が多い都道府県の10位以内にランクイン。
実際のコーヒーの消費量に関しては、好みや環境要因も影響する可能性がありますが、コーヒー好きな遺伝子タイプが多い都道府県では、人口当たりの喫茶店数が多い傾向にあると言えそうです。
遺伝子と食の関係についてはまだまだ明らかになっていないことも多いですが、今後、研究が進むにつれて、予想していなかった興味深い結果も出てくるかもしれません。
今回のランキングに使っているコーヒー好きの遺伝子は、甘いものを好むかなどにも関係していることが分かっています。
もしも、あなたがコーヒー好きで周りに同じような方がいれば、実はコーヒー以外でも同じような食べ物が好みだったりするかもしれませんね。
【ユーグレナ・マイヘルス遺伝子解析サービスとは】
個人の健康リスク・体質の遺伝的傾向・祖先のルーツについて300項目以上の遺伝子型を解析するサービスです。太りやすさなどの体質や、がん・糖尿病などの病気発症リスクに関する遺伝子情報、病気の予防のためにできることをチェックできます。詳しくはこちらをご覧ください。