GENKIプログラム対象校、次回の血液検査とユーグレナクッキー年間配布目標達成にむけての準備 
【2016年7月活動報告】

1.はじめに

いつもGENKIプログラムをご支援いただきありがとうございます。
7月はラマダンとイード(ラマダン明けのお祭り)の為、月の半分は休校になりました。出席率も大幅に減少し配布数も減りましたが8月には挽回するべく新規の小学校と契約し、約400名の子どもが本プログラムに参加することになりました。
最近はバングラデシュのみならず世界中でテロが発生しています。その影響は本プログラムにも大きな影響を及ぼし日本人スタッフが市内の対象校を訪問することが出来ない状況が続いています。バングラデシュ人も同様に危険な状況にあり安全を確保するため業務が停滞することもしばしばです。配布したクッキーを子どもたちにしっかり食べてもらうためには定期的な訪問とモニタリングは不可欠です。これを怠ると子供達はクッキーを自宅に持ち帰ったり友達にあげたりしますので気が抜けません。ただクッキーを配布するだけでなく、このような業務をしっかりと遂行することが我々の重要な役割であることを肝に銘じ日々頑張っています。

2.10月に行う血液検査の準備

10月に行う血液検検査から被験者数は前回より100名増加し合計で300名になる予定です。この新たな100名はクッキーを食べないグループになります。検査を有益なものにするためとは言えGENKIプログラムの恩恵に与れないため子どもにはクッキーの代わりにノートや鉛筆を用意して効果測定の協力をお願いしています。また被験者の多くの子どもは自分の正確な年齢を知らないので、しっかりと年齢確認の作業をしなければなりません。このように血液検査をするだけでも日本で行う何倍もの手間がかかるのがバングラデシュの実情です(写真-1、2)。

  • 写真-1:子どもの年齢確認を一人ひとり実施写真-1:子どもの年齢確認を一人ひとり実施
  • 写真-2:年齢確認のための資料を見せる子ども写真-2:年齢確認のための資料を見せる子ども

3.年間目標の達成と配布のありかたについて

GENKIプログラムの運営スタッフは日頃より確実に子どもがクッキーを食べられるよう様々な工夫と努力をしていますが残念ながら全てが上手く運営されているわけではありません。本来は学校で配布されるべきクッキーがモスクで配布されているという事実や、一部の児童がクッキーを自宅へ持ちかえるなどの行為が時々発覚します。このような学校には理由と原因が分かるまで一時的に配布をストップし、二度とトラブルを発生させないことを書面で約束してもらいます。
最近、問題のあった2校(写真-3、4)では先生とのミーティングを繰り返し改善の目途がついたので現在は配布を再開しています。今後はこのような行為が発生しないようしっかりとモニタリングをしていきたいと思います。
また、クッキーを新たに配布する学校では、参加する子どもたちの両親に集まってもらい、交流会を行いました(写真-5)。

  • 写真-3:問題が発生した学校との打ち合わせ その1写真-3:問題が発生した学校との打ち合わせ その1
  • 写真-4:問題が発生した学校の打ち合わせ その2写真-4:問題が発生した学校の打ち合わせ その2
  • 写真-5:両親との交流会(新規契約先の学校にて)写真-5:両親との交流会(新規契約先の学校にて)

4.ユーグレナクッキ―を食べているRifadくんの話

写真に写っている男の子はRifadくん(写真-6)11歳です。彼は小学校5年生で勉強しながらバス会社に勤めています。まだ子どもですが既に家計の一部を担っています。
家庭は4人家族で父親は工事現場に勤め、母親はメイドとして働いています。本当に貧しい家庭で生活していくのは大変です。彼は学校終了後の17:30から19:00まで働きます。Leguna(小さな乗り合いバス)(写真-7)の車掌として働き月額1000タカ(約1,400円)1日当たり20-30タカ(30円~40円)の賃金を得ています。
彼は、Aparajyo-BangladeshというNGOの学校に通いながら週6日(休日は金曜日だけ)働いています。Rifadくんは将来、医者になって社会の役に立つことを夢見ています。
GENKIプログラムはこのような仕事をしながら学校に通う貧しい家庭の子どもたちにクッキーを提供しています。

  • 写真-6:Rifadくん写真-6:Rifadくん
  • 写真-7:ダッカ市内に移動しているLeguna写真-7:ダッカ市内に移動しているLeguna

5.まとめ

プロジェクト規模の拡大に伴い、今回報告したような問題が発生しています。今までの失敗や経験を活かして、これらの課題に対処するためマニュアルを作成し、チームメンバーに対応策を徹底していきます。引き続き皆様のご支援をお願いいたします。

株式会社ユーグレナ
バングラデシュ事務所 プロジェクトマネージャー
モハメド・アケルザマン