Social Business Japan Forum 2017開催
【2017年2月活動報告】
1.はじめに
いつもユーグレナGENKIプログラムをご支援いただきありがとうございます。今期(2016年4月~2017年3月末)の目標である150万食に対し、2017年2月末時点で、合計約140万食分のクッキーを子どもたちにお届けすることができました。3月も2月と同様に出席率が高いため、 3月末までに約160万食を配布できる予定です。
2.Social Business Japan Forum 2017開催
2月21日に東京にて、Social Business Japan Forum 2017が開催されました。500名近くの来場者で満席となり、大盛況のうちに閉会しました。グラミン銀行創設者であり2006年ノーベル平和賞受賞者ムハマド・ユヌス氏をお招きし「日本でいかにソーシャルビジネスを根付かせるか」について議論しました。ユヌス氏は弊社在バングラデシュ・グループ会社のグラミンユーグレナの会長でもあります。ユヌス氏の基調講演、バングラデシュでソーシャルビジネスを展開する企業(グラミンユニクロ、弊社など)の活動報告の他、弊社社長出雲もパネラーとして参加するパネルディスカッションを行いました。
厳しい環境の中で、仕事を創造し持続可能であるビジネスを自ら行っている講演者の熱いメッセージを受けることができました。ユヌス氏からも「Job Seeker」ではなく「Job Creator」であること、利益を出しその利益を次のソーシャルビジネスに繋げることといった、力強い話をいただきました(写真-1)。来場者からは、「講演、パネルディスカッションともに、大変示唆に富む内容で刺激を受けました。」などの有難いコメントを多数いただきました。
- 写真-1:基調講演中のモハマド・ユヌス氏
- 写真-2: GENKIプログラムを説明する出雲
3.転校によりクッキーが食べられなくなった子どもたち
学年終了時である12月中旬から新学年開始直後の2月上旬頃まで、多くの子どもたちが転校します。親の転職による引越や、良い学習環境(安い授業料、充実した設備)を求めて転校することが、主な転校理由です。
GENKIプログラムの学校でも同様です。対象生徒数400人のある学校では、1割である約40名がこの時期に転校しました。転校先である多くの学校はクッキー配布対象校ではなく、クッキーを食べることができなくなってしまうため、校長先生は心配しています。クッキーを継続して食べてもらうことが私たちの課題であるため、定期的に先生、ご両親への説明会の中でクッキーの栄養素の重要性を伝え続けています。
4.国際母語デー
バングラデシュでは、母語であるベンガル語が奪われた時代がありました。パキスタンより独立する前の時代、ウルドゥー語を公用語とすることを推進する派閥と、ベンガル語を公用語とすることを求める人たちが首都ダッカでパキスタン軍と武力衝突し、多くの人たちが犠牲となりました。日本では日本語を話すことがあたり前のようになっていますが、バングラデシュ以外でも母語が奪われている国があり、1999年にユネスコは、2月21日を言語多様性の認める日とし、「国際母語デー」を制定しました。
バングラデシュではこの日、母語を守ろうとした高き誇りを思い、ショヒド・ミナール(1952年に起こったベンガル言語運動の犠牲者を追悼する目的で建設された国定記念碑)に花を手向け、犠牲者に祈りを捧げます。ある学校では、子どもたちが記念碑を手作りし(写真-4)、学校内に飾り(写真-5)お祝いしました。ラシダ(Rashida)校長先生は、「毎年2月21日はベンガル語の歴史を学び、母語の尊厳を学校一丸となって考える重要な一日です。」と話をしてくれました。
- 写真-3:「ショヒド・ミナール」記念碑
- 写真-4:「ショヒド・ミナール」を手作りする子どもたち
- 写真-5:校内に飾られた「ショヒド・ミナール」
5.まとめ
来期は年間200万食を目標としています。配布数の増加だけに留まらず、プログラムの中身を充実させていくつもりです。また、5月に第3回目の血液検査を予定していますので、本プログラムの効果を実証していきたいと考えています。引き続き皆様のご支援をお願いいたします。
株式会社ユーグレナ
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