GENKIプログラム、ユーグレナクッキーにレモン風味を追加 
【2017年5月の活動報告】

1.ラマダン(断食月)の開始

5月上旬の子どもたちの平均学校出席率は先月同様約70%となりました。1日あたりの配布数としては4月が平均約8,700食、5月上旬が平均約8,800食でした。5月27日から今年もラマダン(断食月)が始まり、ラマダン中はほとんどの学校が休みとなるため、例年、配布数はほぼゼロになります。この問題の解決を目指し、休校中でも学校には来ている先生方に協力を仰ぎ、配布の時間を決め、子どもたちがクッキーを受け取れるシステムの導入を検討しています。現在、この方法に賛同し協力してくれる学校は39校中9校となっています。

2.ユーグレナクッキーにレモン風味を追加

現在GENKIプログラムで配布しているユーグレナクッキーは、バターとミルクの2種類です。この2つはバングラデシュでは定番の味で、多くの子どもたちが美味しく食べてくれていますが、いつも同じ味では飽きてしまうこともあります。
 そこで、「今後も子どもたちにユーグレナクッキーを美味しく食べてもらいたい。また、クッキーを楽しみにしてもらうことで出席率の向上にも貢献したい」という思いから、新しい味の導入を検討しました。
 まず、クッキー生産を委託しているナビスコ社(NABISCO)にレモン、オレンジ、パイナップルの3種類の風味のクッキーを試作してもらいました。360人の子どもたちを対象に試食会を実施し、食べ比べをして投票してもらいました。子どもたちはどれも気に入ってくれ、1つの味に絞るのを迷っていましたが、最終的にはこれまでのバターやミルクといった甘い風味とは異なるサッパリとしたレモン風味が第1位となり、新たにレモン風味のクッキーを採用することになりました。今後、以前の調査で人気の高かったチョコレート味やナッツ味もコスト面の課題解決に向け動きつつ、新しい風味として採用を検討していきたいと考えています。

  • 写真-1: 新しいレモン風味のクッキーに大喜び
    写真-1: 新しいレモン風味のクッキーに大喜び
  • 写真-2: 3種類のクッキーが入った箱を運ぶ先生
    写真-2: 3種類のクッキーが入った箱を運ぶ先生

3.3回目の血液検査実施

2016年4月から半年毎に実施している血液検査も今回で3回目を迎え、2回目と同じ3校で実施しました。スラム街に住む人々は健康診断や血液検査の経験が基本的に無いため、血液検査の仕組みをしっかり理解してもらえるよう説明をすることに毎回気を配っています。
 検査日は各校毎に2日間ずつ設けていますが、どうしても決まった日に全員が集まらないこともあり、小児科の先生と再度予定を調整したのち、さらに余分に1日検査日を追加しなければならないこともあります。1回目、2回目の過去の血液検査実施時同様、今回もほとんどの子どものお母さんたちが心配して学校まで見にきていました。
 そこで今回は、バングラデシュは地域コミュニティの繋がりが強いことを活かし、ご両親への説明会の実施に加えて、地域のリーダーたちから血液検査の受診を促してもらう活動を行いました。検査当日はGENKIプログラムを統括しているバングラデシュ現地の代表も現場へ赴き、血液検査を見守りました。そして、血液採取を終えた子どもたちにはごほうびとしてジュースをプレゼントしました。終了後は、ご協力いただいた方々へ感謝の気持ちをお伝えし、今後もGENKIプログラムを継続することをお伝えしました。
 このように、地域の方々からご協力頂けるようになったのも、このプログラムが学校だけでなく地域の人たちにも認知されてきた証だと実感しています。今回も無事に血液検査を終えることができ一同、ホッとしています。

  • 写真-3: 血液検査の様子。日本と同様、注射針を怖がる子ども
    写真-3: 血液検査の様子。日本と同様、注射針を怖がる子ども
  • 写真-4: 血液検査前に不安そうな表情を見せるお母さん
    写真-4: 血液検査前に不安そうな表情を見せるお母さん
  • 写真-5: 血液検査を終えてジュースを受け取る子どもと現地代表
    写真-5: 血液検査を終えてジュースを受け取る子どもと現地代表

4.現地スタッフ シャヒッド (Shahid) の仕事紹介

今月は現地スタッフのシャヒッドの仕事について紹介します。彼は日々NGOや学校と連絡を取り合い、プログラムがスムーズに運営されるよう調整する役目を担っています。例えば、毎週各学校の先生とともにクッキーの在庫数を確認し、在庫数が減っている学校があれば、すぐにクッキーを手配できるようにナビスコ社(NABISCO)に生産と配達スケジュールを連絡します。電子メールでのやり取りができない学校もあるため、こまめに連絡を行うことが大切です。また、血液検査では、検査を担当する病院の先生や学校、そしてご両親とのやり取り等すべてに参加し、検査が無事に実施されるように努めています。
 彼は学生時代に、障がいをもっているために学校へ行けない子どもたちを集めて、勉強を教える活動をしていたことがあり、その時の経験から、できる限り子どもたちの家庭環境を理解してご両親とも親身に話し合うことが大切だと考えています。子どもたちの家を訪問し、親子一緒にGENKIプログラムに対する本音を聞いたり、子どもの成長にはバランスの良い栄養が大切なことを丁寧に説明してまわっています。
 今後も、できる限り多くのご両親と良好な関係を築き、子どもたちが継続的に学校に来てユーグレナクッキーを食べることが出来るよう、率先して家庭訪問の実施を行っていきます。

  • 写真-6: 血液検査を終えた親子との交流
    写真-6: 血液検査を終えた親子との交流

引き続きご支援よろしくお願い致します。

株式会社ユーグレナ
海外事業開発部 / バングラデシュ事務所