ダッカ郊外の学校にユーグレナクッキー配布を開始
【2018年1月の活動報告】
今年度のユーグレナクッキー配布目標200万食に対し、1月までに約172万食(進捗率:86%)を配布しました。
1.ダッカ郊外の学校にクッキー配布を開始
今月から新たに、ダッカに隣接するトンギ市にあるトンギ小学校(Tongi Children Education Program School)でのクッキーの配布を開始しました。従来、GENKIプログラムはダッカ市内を中心に展開してきましたが将来のバングラデシュでの全国展開を視野に、初めてダッカ以外での配布を開始しました。
トンギ小学校はアドラ・バングラデシュ(ADRA: Adventist Development and Relief Agency Bangladesh )というNGOの寄付を受け運営されています。ここでは250人のスラム街に住む子どもたちに対し、教育のみならず、医療・保健サービスの提供も行っています。具体的には月に1度、医師が学校を訪問してくれるので、体調不良の子どもたちは無料で診察を受けることができます。バングラデシュでは腹痛や頭痛を訴える子どもたちや、ビタミンやミネラル不足により湿疹、抜け毛、鳥目に陥っている子どもたちが沢山います。そういった病状の子どもたちに対し、トンギ小学校では薬やサプリメントの提供を行っています。この活動を通じ、医師やジョアン校長先生は多くの子どもたちが朝食を食べていないため、栄養補給が不可欠であることを再認識されました。
支援者であるNGOも、GENKIプログラムを理解し、活動費の一部を支払って下さることになりました。校長先生からは、「これまで子どもたちが病気になった際の対処療法しか提供できなかった。これからは栄養を摂ることの大切さを子どもたちとその両親に学んでもらい、病気の予防に繋げたい」と話してくれました。今後もこういった現地支援者と協働することにより、子どもたちの健康管理、栄養改善により貢献していきます。
写真-1:クッキーを受け取り喜ぶ子どもたち
写真-2:クッキーを食べる子ども
2.奨学金で学校に通うショロン君の紹介
「ショロン君、奨学金を得て学校に行けるようになったよ!」。SSKS小学校(SSKS free primary School)のサブジ先生はショロン君(11歳)に話しました。本校では、350人中約35人が奨学金を得て学校に通っています。彼らは世帯収入と成績を考慮された上で対象者として選ばれました。ショロン君は、経済的理由のみで選ばれた唯一の生徒です。彼は一度家庭の事情で以前通っていた学校を退学しましたが、サブジ先生の支援を得て、奨学金を受けながら本校に通うことになりました。
ショロン君はお母さん、お兄さん、弟、妹の5人で暮らしています。1年半前お父さんが突然失踪しました。その後お母さんはホテルの掃除係、お兄さんは建設現場で日雇い労働者として働いています。以前の世帯収入は22,000円でしたが、お父さんがいなくなってからは11,000円となってしまいました。お母さんは、生活が困窮する中、9歳で小学2年生だったショロン君にかかる毎月の授業料(500円)を払うことが困難になり、彼は学校へ通うことをあきらめ、毎日ごみを拾うことで1日約70円を稼いでいました。
サブジ先生は1年前、彼の住むスラム街を訪れた際、ごみにまみれ汚れた姿になりながらも、何かを学びたいという強い気持ちで拾った新聞紙を必死に読む彼を偶然見つけました。そして家庭訪問し、お母さんから彼が学校に通いたくても通えない事情を聞きました。先生は、校長先生や運営者たちに彼の事情を説明し、無償で小学2年から5年生まで学校に通えるようさまざまな配慮をしてくれました。
その後、お母さんは母子家庭が無償で生活できる住居施設に引っ越し、少しでも家庭の出費を抑え彼を学校に通わせようと努力しています。ショロン君は「お母さん、お兄さん、サブジ先生が、僕が学校へ行くために努力してくれている。しっかりと勉強してサブジ先生みたいな先生になり、将来家族を楽にしたい。」と話してくれました。
写真-3:ショロン君(左)とお母さん(中央)と兄妹
写真-4:サブジ先生
引き続きご支援をよろしくお願い致します。
株式会社ユーグレナ
海外事業開発部 / バングラデシュ事務所