速報:コロナ禍のバングラデシュで地方の学校を対象とした食料支援 
【2020年8月の活動報告】

今期(2019年10月~2020年9月)のユーグレナクッキー配布目標210万食に対し、8月までに約162万食(進捗率:77.3%)を配布しました。

1.速報:コロナ禍のバングラデシュで地方の学校を対象とした食料支援

コロナ禍のバングラデシュで2020年6月から7月にかけて、わたしたちは食料不足と価格高騰に悩む首都ダッカのスラム街住民に食料支援としてユーグレナクッキー40万食を配布しました。その翌月、配布時に協力いただいたNGOの1つであるオーバットヘルパーズ(OBAT Helpers)と、ダッカ郊外の貧困者を対象に同様の食料支援が出来ないか協議を進めました。オーバットヘルパーズはバングラデシュ全土で、貧困者を対象とした学校を数多く運営しています。その内、ダッカ市内の4学校はユーグレナGENKIプログラム開始当初の2014年8月から本プログラムに参加いただいています。協議の結果、ダッカを除く6つの地域(ロンプール、ボグラ、シェドプール、マイメンシン、クルナ、チッタゴン)で、オーバットヘルパーズが運営する学校(合計20校)の生徒を対象にユーグレナクッキー10万食を新たに配布するプロジェクトを決定しました。配布数は生徒1人当たり20袋、配布対象者は総数5,000人としました。なお配布に際して、本プロジェクト総費用のうち、クッキー1袋当たりは10円ですが、その内の4円をオーバットヘルパーズに支援いただくことで合意しました。配布方法は、休校措置が続くなか生徒たちにソーシャルディスタンスを保ちながら学校に登校してもらい、先生から生徒たちに直接手渡すこととしました。学校ごとに登校日を予め設定し、ボランティアの協力を仰いで20袋ごとの小分け作業を行い、生徒の保護者に通知しました。配布当日は事前に作成した対象者リストをもとに各学校の校庭や教室などで行われました。当日、体調不良で登校出来なかった生徒に関しては、別途、生徒の各世帯一軒一軒に届けられました。9月5日から9月25日の期間で実施し、滞りなく完了しました。今回のプロジェクト責任者であるオーバットヘルパーズのアクタル氏は「コロナで厳しい状況が続くなか、貧しい人たちへ栄養豊富なユーグレナクッキーを5,000人分も配ることができてとても嬉しく思います。」と感謝の気持ちを語ってくれました。今後もこのような現地パートナーとの関係強化による臨機応変な取り組みを進めてまいります。

  • 写真-1:ユーグレナクッキー配布(ロンプール)
    写真-1:ユーグレナクッキー配布(ロンプール)
  • 写真-2:ユーグレナクッキー配布(ボグラ)
    写真-2:ユーグレナクッキー配布(ボグラ)
  • 写真-3:ユーグレナクッキー配布(シェドプール)
    写真-3:ユーグレナクッキー配布(シェドプール)
  • 写真-4:ユーグレナクッキー配布(マイメンシン)
    写真-4:ユーグレナクッキー配布(マイメンシン)
  • 写真-5:ユーグレナクッキー配布(クルナ)
    写真-5:ユーグレナクッキー配布(クルナ)
  • 写真-6:ユーグレナクッキー配布(チッタゴン)
    写真-6:ユーグレナクッキー配布(チッタゴン)

2.休校措置の延長のもと在宅訪問による補講授業を行う学校の紹介

学校一斉休校が続くなか、ユーグレナGENKIプログラム対象校が生徒たちに定期的な学習の機会を設けるために、オンライン授業に取り組む様子を前月レポートで紹介しました。今回は先生が生徒の自宅を訪問し、1対1での補講授業を運用しているハミムモデル小学校の事例を紹介します。ダッカ市内にある全生徒数350名のハミムモデル小学校には14名の先生が勤めており、先生たちが訪問ローテーションを組み、各生徒の自宅で補講授業を週1回のペースで実施しています。訪問に際して先生たちは、石鹸で入念に手足や顔を洗いマスクを付けたうえで生徒の自宅に入ります。家の中は狭いため、ベッドの上に先生と生徒が一緒に座って授業を行う場合が多いといいます。一回の補講授業は40分間、主に算数と英語を授業科目としています。授業の進め方は、前半20分で新しく学ぶ内容を教え、後半20分で宿題として前回出した問題用紙の答え合わせとなっています。宿題は授業時間以外に事前に全て済ませるように保護者が見守ります。ちなみに生徒がこの補講授業を受けるためには授業料として月額370円ほど掛かるのですが、全生徒数の半数以上にあたる190名が参加しています。生徒たち保護者の多くは、自分の子どもにとって補講授業がとても役に立っていると考えています。6年生のマリアちゃん(12歳)の母親アシアさんは次のように話します。「学校が休校となってからは、娘は家でテレビばかり見て過ごしていました。しかし補講授業が始まってからは、また勉強をするようになりました。娘が勉強するという習慣を取り戻してくれたのです。さらに、娘と新しく学んだことについて会話を交わす機会もできました。」また自ら教鞭も執られているアラウディン校長は「新型コロナウイルス感染症の影響のもと、我々としてどうすれば生徒たちに学業と向き合う環境を作れるか検討した結果が、在宅訪問による補講授業でした。逆境の中でも再び生徒たちが教育の機会を得るという恩恵に少しでも繋がればとの思いです。」と話してくれました。わたしたちも学校での授業の早期再開を願いながら、同時に休校が更に継続されても、ユーグレナクッキーの配布を実施出来る環境作りの検討を進めてまいります。

  • 写真-1:在宅訪問による補講授業の様子①
    写真-1:在宅訪問による補講授業の様子①
  • 写真-2:在宅訪問による補講授業の様子②
    写真-2:在宅訪問による補講授業の様子②
  • 写真-3:補講授業を行うアラウディン校長
    写真-3:補講授業を行うアラウディン校長
  • 写真-4:娘と勉強内容について話す母親アシアさん
    写真-4:娘と勉強内容について話す母親アシアさん


引き続きご支援をよろしくお願いいたします。

株式会社ユーグレナ
海外事業開発部 / バングラデシュ事務所