2019年、ユーグレナ社は、地球と会社の“未来”を考える18歳以下のCFO(Chief Future Officer:最高未来責任者)を募集し、1名のCFOと8名のサミットメンバーを選出しました。

連載最終回となる今回は、Futureサミットメンバーの來海と貴田が1年間の任期中に活動を通して感じたことや考えたこと、印象に残っていることなどについてライブ配信で当メディア編集長の北見がインタビュー。その様子の一部を紹介します。
(連載第1弾第2弾はこちらからご覧いただけます。)

北見:本日もユーグレナFutureサミットの活動について振り返っていきたいと思います。
本日は、Futureサミットメンバーの來海(きまち)さんと貴田さんにお越しいただき、Futureサミットの活動について振り返っていただきます。まずは來海さんにインタビューしたいと思います。

來海潤一郎(以下、來海):よろしくお願いいたします。Futureサミットメンバーで、高校2年生の來海潤一郎(きまち じゅんいちろう)です。

北見:さっそくですが、CFO企画に応募しようと思ったきっかけを教えてください。

來海:これまでも社会を変えるためのプロジェクトに参加してきたのですが、なかなか社会を動かすのは難しいなと感じていました。そんなときにCFO企画の新聞広告をみて、企業活動という形で活動することで社会を動かせるのではないかと思い応募しました。

CFO募集の新聞広告

北見:応募にあたって、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)に関して自分の意見を書く課題がありましたが、どのような内容を書いたのですか?

來海:ゲノムのことについて書きました。自分の思いをすべて詰め込んで書けたので、いい文章になったと記憶しています。

北見:素晴らしいですね。ちなみに、新型コロナウイルス感染症の影響でミーティングがすべてオンラインに切り替わっていきましたよね。活動をしていくうえで、不安や課題はありませんでしたか?

來海:そうですね。オフラインだと肌感覚で読み取れるものが、オンラインだと読み取れなかったりするので、大変な部分はありました。だけど、オンラインミーティングに対応していけたことは貴重な経験になりました。

北見:Futureサミットメンバーで1年間議論を重ねてきたと思います。メンバー間で刺激を受けたりしましたか?

來海:CFOの小澤さんからはたくさん刺激を受けました。特にプレゼンテーションや意見をまとめる力などはすごいなと感じました。あとは、最年少メンバーである檜垣(ひがき)さんのアイディアの豊富さにも刺激を受けました。

左から、初代CFO小澤、サミットメンバー檜垣

北見:活動を通して印象に残っていることはありますか?

來海:取締役会の決議の場面に立ち会えたことが印象に残っています。自分たちが提言した内容をもとに「ペットボトル商品の全廃」や「2021年中に商品に使用される石油由来プラスチック量の50%削減」などの目標が決議されたのですが、Futureサミットで約1年間議論してきたことが結実した瞬間ですごく印象に残っています。

北見:なかなか取締役会でプレゼンテーションしたり、決議に立ち会ったりはできないですからね。貴重な経験だと思います。今後、どんなことに取り組んでいきたいですか?

來海:もともと社会を変えたいという漠然とした目標を持っていたのですが、Futureサミットの活動を通じて、現実的に社会を変えられるという自信を持てるようになりました。

北見:Futureサミットの活動は1年間ですが、ユーグレナ社やユーグレナ社の仲間(社員)との関係はずっと続きます。ぜひ今後も一緒に活動していきましょう。第2期のCFOやサミットメンバーにはどういう方になってほしいですか?
※ユーグレナ・グループでは、社員のことを同じ志をもった「仲間」と呼んでいます。

來海:熱量を持っていて、何とか形にしたいと考えている方や、同じ志を持つ仲間が向いています。Futureサミットメンバーはもちろんですが、ユーグレナ社の仲間も同じ志を持っているので、たくさんの仲間に出会えると思います。

北見:最後に見てくれている方にメッセージがあればお願いします。

來海:僕は、「未来はもう始まっている」という言葉を大切にしています。「未来」というとどこか遠くのことのように思うかもしれませんが、実は未来はすでに始まっていて、今できることを今やることが重要だと思っています。

北見:本当にそのとおりですね。來海さんありがとうございました。

ここからは、來海さんに代わり貴田さんにお話を伺っていきたいと思います。

貴田悠斗(以下、貴田):こんばんは。高校2年生の貴田悠斗(きだ ゆうと)と申します。Futureサミットメンバーに応募した理由は、インドネシアに住んでいたときに、口腔衛生を保てず病気になっている方たちを目の当たりにし、何とか改善したいと思ったからです。

北見:Futureサミットの活動を通じて、大変だったこと、楽しかったことを教えてください。

貴田:2019年12月ごろに、さまざまなアイディアを話し合う機会があったのですが、その時は大変でした。毎日5時間ぐらいオンラインミーティングをしていました。

北見:そうでしたよね。みんなバックグラウンドが違う中で、アイディアを出し合い、選別をするなかで、熱意がぶつかり合い議論も白熱していました。そんな中でアイディアを絞り込んでいけた要因は何でしたか?

貴田:CFOの小澤さんがリードしたのですが、メンバー1人1人が「みんなで1つの提言をまとめること」の重要さを認識できたことが大きかったです。その原点を認識してからは、一丸となって取り組むことができました。

北見:ちょうどそのころ、ユーグレナ社の仲間に対してのプレゼンテーションもしていただきました。大勢の前でのプレゼンテーションでしたが、緊張しましたか?

貴田:ユーグレナ社の仲間はみんなアットホームなので、心地よくプレゼンテーションできました。

Futureサミットでプレゼンテーションする貴田

北見:それは良かったです。ほかに印象に残っている活動はありますか?

貴田: Japan Action Tank Forumに参加させていただいた際、ノーベル平和賞を受賞されたムハマド・ユヌスさんに質問できたり、お話できたりしたことが印象に残っています。

北見:それは、貴重な経験ですね。活動を通じて考え方が変わったり、ブラッシュアップされたことなどはありましたか?

貴田:Futureサミットの活動を通して、社会に貢献したいという思いが強くなりました。また、プラスチックの削減目標などの提言をまとめることができ、それがユーグレナ社の目標に採択されたことで、自分の行動で会社や社会を変えられるのだという自信を持つようになりました。今後さまざまな活動をしていくうえで、大きな一歩になったと思います。

北見:今後取り組みたいことはありますか?

貴田:教育問題に興味関心があるので、教育分野で社会に貢献していきたいと考えています。

北見:これから第2期Futureサミットがはじまりますが、学業や部活などと両立できるのか不安に思っている方もいるかもしれません。貴田さんは部活はされていますか?

貴田:高校で硬式テニス部の部長をしています。スポーツも勉強もFutureサミットの活動も楽しみながら両立できています。Futureサミットの活動について学校の友人や家族と度々話したりもしていて、友人や家族の中でも環境意識や社会問題に対する意識が高まっていると感じています。

北見:周りの方にも貴田さんの思いが波及しているのですね。第2期メンバーにはどうなってほしいですか?

貴田:仲間を大切にできる方が良いです。1年間の任期の活動の中では、メンバー間で意見が合わないこともあるかもしれませんが、メンバーを家族、仲間ととらえて大切に思うといい方向に向かうことができると思います。私自身、普通の高校生ですが、Futureサミットの活動を通じて社会を変えることに貢献できたと感じています。少しでも社会を変えることに興味があれば、Futureサミットに向いていると思います。

初代CFO(中央)とFutureサミットメンバー

北見:ありがとうございます。Futureサミットの選考について気を付けていたことやアドバイスはありますか?

貴田:まずは、自分のコアにある問題意識を探すのがよいのではないかと思います。自分のコアにある問題意識を認識したうえで、それがユーグレナ社の活動とどのように関連づけられるのかを考えていくと自ずと情熱をもって選考に挑めると思います。私の場合は、インドネシアのスラム街での歯磨き指導などを通じて感じた口腔衛生の問題意識がコアにあり、それをユーグレナ社の活動に関連づけてプレゼンテーションを行いました。

北見:最後の質問ですが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、Futureサミットの活動もイレギュラーでした。新型コロナウイルス感染症の影響で変わったこと、今後変わっていくと思うことはありますか?

貴田:ミーティングやイベントなどさまざまなものがオンライン化したことによって、より世界中とつながる機会が増えたと感じています。より簡単に、世界中の方々の意見を聞くことや、世界中に自分の意見を伝えることができるようになりました。そういう意味では、すごく可能性が広がったととらえています。

北見:來海さん、貴田さん、お時間いただきありがとうございました。

3回にわたって初代CFOやFutureサミットメンバーから熱い思いを聞くことができました。
「未来はもう始まっている」
ユーグレナはSustainability Firstで、これからも”自分たちの幸せが誰かの幸せと共存し続ける方法”を常に考え、行動していきます。

來海潤一郎
2003年生まれ
「未来を生きていくのはわたしたちです。だからこそもっと、未来に関わる社会問題や話題に興味をもってほしい。決して一方通行ではない伝え方が、10代だからこそ出来ると信じています!興味を持てばきっと動き出す、どんな小さなことでも。ここからわたしたちの未来が始まる!」

貴田悠斗
2003年生まれ。
「インドネシアで、劣悪な環境下のため健康的な生活ができない人々の現状を目の当たりにし、特に口腔衛生を保てないことが様々な病気を引き起こしていると知りました。口内環境による病気を少しでも減らし、人と地球を健康にしたい!」