イラストで学ぶ、子どもたちの「わかる喜び」【2024年1月の活動報告】
今月のレポートではイラスト教材で授業に活気をもたらすGENKIプログラム提携校をご紹介いたします。
1.イラストで学ぶ、子どもたちの「わかる喜び」
バングラデシュの首都ダッカのスラム街にあるディシャリ校では、授業にイラストの教材を取り入れることで教室での学びに活気をもたらしています。教科書と黒板だけではなく彩り豊かなイラストを通し、さまざまな教科の魅力を伝えて、生徒たちの学習意欲を高めているのです。スラム街の貧困が原因で就学率や出席率がなかなか上がらなかった同校が、学校の授業を魅力あるものに変えようと取り入れた新しいアプローチです。
例えば英語では「アップルのA」「バタフライのB」など、日ごろから慣れ親しんだ食べ物や動物などをイラストにしたアルファベットで表し、生徒の視覚に訴えることでより理解が深まる授業が行われています。
ディシャリ校の生徒にとって、教科書の暗記が中心だった学校の授業はつまらなく感じることがありました。スラム街に住む生徒たちの両親は家計のやりくりに精一杯で、子供たちの勉強をサポートしたり、勉強の大切さを教えたりする時間を十分に持てません。そのため生徒たちは、学校の教科書や授業になかなか興味や意欲を見出せずにいたのです。
この課題に気づき、2021年に同校のマシュラフィー校長はイラスト教材を用いる授業を導入しました。イラストを使って算数から社会科まですべての教科を親しみやすく教えることで、子どもたちの興味を引き出し、「わかる喜び」をもたらしたのです。同校の学習では単調な暗記は不要になり、子どもたちは楽しんで自発的に学ぶようになりました。
同校に通う5年生のナスリンちゃんは、ディシャリ校のイラスト教材で学校生活が変わった1人です。かつての教科書中心の授業ではナスリンちゃんは算数の授業についていけず、学校へ通う意欲を失いかけていました。
しかしイラスト教材による学習の導入をきっかけに、彼女は学ぶことのすばらしさを知ります。ナスリンちゃんは社会科や国語の楽しさを見つけ、苦手だった算数もイラストを使った授業を通じてよく理解できるようになったのです。
授業の理解度が上がって自信がついたナスリンちゃんは、クラスのディスカッションでも積極的に自分の考えを発言するようになりました。担任のアフテル先生は「彼女は自信をつけたことで、学習意欲が高まりました。今では修士号を取得したいと、将来の夢を語っていますよ」と成長を称えます。
ディシャリ校が2021年にイラストを使った授業を始めてから、入学率は約10%、出席率は約15%も上がりました。新しい形の授業は子どもたちの学力だけでなく、創造力や協調力も育んでいます。そして「わかる喜び」を知った子どもたちの生き生きとした姿を通して、先生たちも「教える喜び」を再認識しました。
同校のアミナ・ベゴム先生は「子どもたちがイラストを通じた授業でのびのびと知識を吸収する姿は、目を見張るものがあります。彼らが好奇心を持って主体的に授業に参加するようになったので、私は教えることがさらに嬉しくなりました」と成果を語ります。
GENKIプログラムは今後も子どもたちを支援してまいります。
2. 2024年1月の活動報告
1月はGENKIプログラム対象校のうち、90校の約9800人に対し、22万食のユーグレナクッキーを配布しました。
引き続きのご支援をどうぞよろしくお願い致します。