微細藻類ユーグレナの力を最大追求
化粧品新ブランド、「NEcCO」誕生
ユーグレナ社で初めて化粧品を発売してからちょうど10年目となる記念すべき年に、新たに化粧品の新ブランドがリリースされた。
バイオナチュラル・スキンケアブランドと銘打たれた「NEcCO(ネッコ)」は、肌の土台※1、「根っこから美しいひと。」になるためのブランドだ。本来そなわっている肌の潜在覚醒力※2をユーグレナ成分でサポートし、すこやかな肌を叶えるために生まれたという。
これまでユーグレナ社では、エイジングスキンケアシリーズの「B.C.A.D.」やオールインワンスキンケアの「one」、新世代エイジングケアの「conc」、オーガニックケアプロダクトの「lavita ORGANICS」といった、さまざまな特色のある化粧品ブランドを立ち上げてきた。今回リリースした「NEcCO」は、これらとはどのように異なるのだろうか。
「肌の潜在覚醒力※2を支えるキーとなるのは、4種のユーグレナ成分※3と、発酵美肌成分※4の独自配合です。これらのうち、ユーグレナ発酵オイル(エモリエント成分)※5とミドリ麹エキス(保湿成分)※6の2種は、新たに研究開発された新成分で、『NEcCO』が初配合になります」
そう説明するのは、ブランドマネージャーである木村直美だ。肌の健康を通して、身も心も健康に導く化粧品を多くのお客さまへお届けしたいという想いから、大手化粧品メーカーからユーグレナ社へジョインした木村は、「NEcCO」を「肌の本質的なケアを望まれる方に使ってほしい」と説く。
「これまでに色々な化粧品や美容のためのケアを経験された方には、根本、つまり“根っこ”からトラブルが起きにくい、そしてエイジングサインが現れにくい肌になりたいと思われている方も多いでしょう。そのような本質的なエイジングケアを望まれる方に、ぜひユーグレナの免疫に関する研究結果に着目した『NEcCO』を使っていただきたいと思っています。
そして、最後の1滴までしっかりと使っていただきたいので、逆さにできるボトルデザインにしました」
「NEcCO」はユーグレナ・フィロソフィーである「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をまさに体現したブランドだ。からだのいちばん大きな臓器である肌のすこやかさと、私たちが生きるこの地球のよりよい環境が無理なくずっと続いていくように。という想いから、中身からパッケージの設計までのすべてに非常にこだわりが詰まっている。
「開発当初は、詰め替えのパッケージを想定していました。しかし、お客さまの声を調査し続ける中で、詰め替える際に中身をこぼしてしまうのが非常にストレスであることや、中身の残留物が衛生的に気になることなど、さまざまなネガティブなご意見があることを無視することはできないと判断しました。そのため、詰め替えではない方法でサステナビリティを実現しようと、開発メンバーが知恵を絞りました。その結果、化粧品の中身1滴1滴を高濃度にし、容器そのもののサイズを小さく、薄くするという方法に行きつきました。また、容器には植物由来のバイオマスプラスチックを配合しています。これによって容器に使用するプラスチック量を限界まで減らしながら、お客さまの使いやすさも担保することができました」
サステナビリティを求めた結果、「NEcCO」は手のひらにすっぽり収まるコンパクトサイズになった。シンプルながら、使うたびに愛着が湧くたたずまいだ。
※1 角層のこと
※2 本来そなわっている肌のすこやかさをたもつ力のこと
※3 保湿成分:ユーグレナエキス・加水分解ユーグレナエキス・加水分解(アスペルギルス/ユーグレナ)/コメ発酵物、エモリエント成分:ユーグレナ/オレイン酸発酵物
※4 保湿成分:パントエア/コメヌカ発酵エキス液
※5 エモリエント成分:ユーグレナ/オレイン酸発酵物
※6 加水分解(アスペルギルス/ユーグレナ)/コメ発酵物
きっかけは偶然の出会い
ユーグレナの研究発表から生まれた発想
「NEcCO」が誕生するきっかけとなったのは、2019年にさかのぼる。登場するのは、「NEcCO」の生みの親とも呼べる開発メンバーの1人、松野圭吾である。
松野はその日、ユーグレナ社CTOの鈴木健吾が学生向けに研究発表している場を通りがかったのだという。
「そのときはまだ『NEcCO』の商品コンセプトはオールインワンクリームであったり、高保湿のスキンケアがベースの企画が検討されていましたが、イノベーティブな価値を出せていないと感じて、本当にこの企画でいいのだろうかと悩んでいました。そんなときに、鈴木さんが微細藻類ユーグレナの特有成分パラミロンの創傷治癒効果についての研究発表をしていて、『これだ!』と閃きました」
松野は新たな企画を提案し“効くナチュラル”というコンセプトで開発する話がどんどん進んでいったという。
「偶然だったのですが、出会うべくして出会ったのだと思います。その場しのぎではなく、根本からケアできるような商品ができると確信し、とてもわくわくしたのを覚えています」
しかし、そこから「NEcCO」が世に出るまで、長い道のりがあった。
Sustainability Firstを体現した
ブランドにするため
全てを見直すことに
「NEcCO」の開発が進行していたちょうどその時、ユーグレナ社のCIが刷新され、新たにユーグレナ・フィロソフィーとして「Sustainability First」が掲げられるようになった。
松野は、「NEcCO」がユーグレナ社の主軸となるブランドにするには、最もSustainability Firstを体現したブランドにする必要があると感じ、改めて成分や容器包材をゼロベースから検討し直した。
「改めてSustainability Firstを踏まえて考えたとき、容器もゼロベースで考え直そうと思いました。特にプラスチックの使用量を減らすためにはどうすればいいかという点で、かなり練り直しました。その結果、①パッケージのサイズダウンと軽量化、②CO2排出に配慮した植物由来の『バイオマスプラスチック』を最大30%配合※7、③化粧箱に古紙パルプを100%使用、④印刷は環境負荷低減に寄与する植物油インキの使用、⑤トライアルセットのスライダーポーチに、リサイクルナイロンとバイオマスインキを使用、⑥ブースターセラムの透明ボトルは廃棄プラスチックを再生したリサイクルプラスチックを配合するなど、とことんサステナブルな容器にしました。
中身も最新の処方を採用しましたし、サステナビリティを追及した容器の採用はチャレンジでしたが、全ての商品で今できる最善を尽くしました。」
木村は「『NEcCO』のサステナビリティを最も端的に表現しているのは、ブランド名だ」と語る。
「『NEcCO』は根本、すなわち『根っこ』のことですが、肌のエイジングサイン※8や心の免疫力※9の低下によって、肌と心のすこやかさが続きにくい状況になったとしても、『根っこ』にアプローチすることで、すこやかさと美しさが無理なく持続するように支えます。という宣言が込められたブランド名だからです。そのため、ユーグレナの力で肌の潜在覚醒力※8を支えるだけでなく、同時に心の免疫力※9を支えることができる芳香療法の考えに着目した香りも開発しました。」
芳香療法の考え方に着目した香りとは、つまり植物から抽出される天然精油の香りを利用して、心のすこやかさを保つケアを採用することで、肌をケアしながら心もケアしようという試みだ。
木村によると、「『NEcCO』の香りのこだわりはすごい」という。
「オレンジ、ベルガモット、ゼラニウムなど、9種の天然精油をブレンドし、心が『解放・覚醒・調整・循環』のステップ※10で変化するように設計しています。思考や感情をポジティブなコンディションへ整え、香りを感じやすいように深呼吸することでストレスや不調もすっきりクリア※11にします。ポジティブなコンディションがつながることが、肌はもちろん、睡眠などの生活のすこやかさにも影響を与えると考えています。だからこそ、ブレンドのバランスは0.02mlという細かい単位で何度も調整しながら設計しました。」
※7 容器の中栓・キャップを除く
※8 年齢を重ねた肌のキメの乱れや乾燥トラブルなど
※9 ストレスに負けない気持ちの在り方のこと
※10 香りのイメージ
※11 深呼吸による気分転換のこと
「NEcCO」に込めた思いは
決してぶらさない
肌のすこやかさと、よりよい環境が
無理なくずっと続いていくように。
長い年月を経てようやくスタートした「NEcCO」。
木村は、このブランドは研究成果を活かして緻密な設計を積み重ねた骨太なブランドのため、息の長いロングセラーブランドになると考えている。一方、そのためには、絶対にぶらしてはいけないことがあると語る。
「『NEcCO』はユーグレナ社の最新の研究成果を体現したバイオナチュラル・スキンケアブランドなので、『NEcCO』の進化は研究の進化と両輪の関係にあり、研究で発見された新たな価値や知見を搭載して、エビデンスを示しながらブランドが進化していくことが重要だと考えています。マーケティング視点で美容トレンドを取り入れることも重要ではありますが、それだけになってしまったら、提供価値もブランドもぶれてしまい、『NEcCO』ではなくなってしまうためです。
特にヘルスケアの研究は、健康寿命の延伸に貢献するというミッションを掲げています。それは、健康課題が起こらないように未然に防ぐことが本質的な策であるという考え方で、『NEcCO』のコンセプトや役割と完全に合致しています。さらに、ユーグレナ社のバイオテクノロジーを活用して開発した化粧品原料に、肌の健康寿命の延伸につながるエビデンスや可能性が示唆されたならば、ユーグレナ素材にこだわることなく、あくまでもミッションファーストで『NEcCO』に搭載していきたいとも考えています。
今後も、最新の研究成果を搭載し、今できる最善を尽くすことで、人と環境の健康に対するサステナブルな想いの実現に取り組んでいきたいと思っていますし、お客さまが『NEcCO』を選ぶことが、サスナビリティを社会実装する方法の1つになることを目指しています」
「NEcCO」の物語は今始まったばかり。
ユーグレナ社の最先端の研究成果を体感できるこのスキンケアブランドが、これからどのような進化を遂げていくのか、注目していきたい。
2023年5月掲出
登場人物
- サステナブルブランド戦略室
シニアブランドマネージャー木村 直美 -
2021年7月に中途仲間として入社。
「ユーグレナ社のブランドや商品を選ぶことが、サステナブルな選択をすることになる。
無理なく、負担なく、自然にサスナビリティが社会実装される。ブランドや商品を通じて、今できる最善を積み重ね、サステナブルな未来の実現にむけて取り組んで参ります。」
- 商品開発部 商品開発課
化粧品開発チーム松野 圭吾 -
2018年1月に中途仲間として入社。
「ユーグレナという素材の力を最大限に引き出し、人々の健康と美を支える価値ある食品・化粧品を今後も企画開発し続けて参ります。」
euglena Projects
vol.00
バングラデシュの子どもたちを
救う素材を探せ。
vol.01
誰もなし得ていない、ユーグレナの
屋外大量培養技術を確立せよ。
vol.02
ユーグレナを
300億円市場に育て上げよ。
vol.03
バングラデシュの
全ての小学校に給食を。
vol.04
煙突から排出されるCO2で
ユーグレナを培養せよ。
vol.05
ユーグレナの化粧品事業を
立ち上げよ。
vol.06
日本初のバイオジェット燃料
製造プラントを建設せよ。
vol.07
「ミドリムシ」の名前を
武器にせよ。
vol.08
中国にユーグレナを
普及せよ。
vol.09
スーパーユーグレナを
獲得せよ。
vol.10
バングラデシュの
貧困問題を
緑豆事業で解決せよ。
vol.11
ユーグレナでタケダと
新商品を開発せよ。
vol.12
下水処理場の下水を活用し、
ユーグレナを培養せよ。
vol.13
ユーグレナの仲間の
「行動指針」を作成せよ。
vol.14
日本独自の技術で、
ユーグレナを培養せよ。
vol.15
仲間がより働きやすい
オフィスを追求せよ。
vol.16
ゆーぐりん保育園を
オフィスに併設せよ。
vol.17
ユーグレナで石垣島の
地域活性化に貢献せよ。
vol.18
ユーグレナの認知度を上げる
新商品を共同開発せよ
vol.19
ユーグレナのカフェを
石垣島で開店せよ。
vol.20
ユーグレナを飼料にして
比内地鶏を育成せよ。
vol.21
ユーグレナ入りディーゼル燃料を
いすゞ自動車と共同で実用化せよ。
vol.22
ユーグレナを使った
バイオ燃料を生産せよ。
vol.23
研究系ベンチャーを
ヒト、モノ、カネで支える
新しいファンドを確立せよ。
©2018 MELTIN MMI
vol.24
ユーグレナとクロレラで世界初の
ASC-MSC藻類認証を取得せよ。
vol.25
グループ企業との
シナジーを構築せよ。
vol.26
新しい仲間と、
遺伝子レベルで人を健康にせよ。
vol.27
自由が丘と
ユーグレナを普及せよ。
vol.28
ユーグレナサプリメントの
加工工場を立ち上げよ。
vol.29
理科のチカラで石垣島の
地域活性に貢献せよ。
vol.30
新しいユーグレナの
基幹化粧品を開発せよ。
vol.31
ロヒンギャ難民の
食料問題解決に貢献せよ。
vol.32
ユーグレナ由来の美容成分を
研究解明せよ。
vol.33
学生のチャレンジを応援!
通年採用を開始せよ。
vol.34
ユーグレナとクロレラで
ハラール認証を取得せよ。
vol.35
健康寿命を伸ばすユーグレナの
可能性を発見せよ。
vol.36
竹富島のクルマエビ養殖事業を
発展させよ。
vol.37
「G20軽井沢」にてユーグレナバイオディーゼル燃料で自動車を走らせよ。
vol.38
石垣島ユーグレナの魅力を伝えるキャラクターを企画せよ。
vol.39
CFO(最高未来責任者)を募集・選考せよ。
vol.40
国産カラハリスイカを
栽培せよ。
vol.41
日本初となる「バーチャルオンリー
株主総会」を開催せよ。
vol.42
次世代バイオディーゼル燃料を
普及させよ。
vol.43
コーポレート・
アイデンティティを刷新せよ。
vol.44
石垣島生まれの
ユーグレナを浸透させよ。
vol.45
ユーグレナ由来の
肥料研究を加速させよ。
vol.46
日本の空をバイオ燃料で
クリーンにせよ。
vol.47
オフィス環境を改善し、
仲間の生産性を向上させよ。
vol.48
化粧品における
サステナビリティを追求せよ
vol.49
次の新素材「ミドリ麹」の
価値を世に拡げよ。
vol.50
ユーグレナの
ESG経営を加速させよ
vol.51
未来世代アドバイザリーボードを
設置せよ。