紫外線を浴びて日焼けをすると黒くなる人と赤くなる人がいます。この違いは細胞を守る働きがある黒い色素「メラニン」の量で、遺伝子が関係しています。
ユーグレナ社では、ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスのゲノムデータをもとに、紫外線を浴びたあと、どんな日焼けをしやすいかに関する遺伝子項目を解析し、「紫外線を浴びると肌が黒くなりやすい遺伝子タイプが少ない都道府県ランキング」を公開しました。今回は紫外線対策に役立てて欲しいとの思いから、「少ない」に着目し、ランキングを出しています。

■「日焼け」と遺伝子型との関連は?

日本語で言う「日焼け」とは、紫外線を浴びて数時間後に皮膚が赤く炎症を起こす「サンバーン(赤くなる日焼け)」と、紫外線を浴びた数日後に皮膚が黒っぽくなって色素沈着を起こし、数週間から数ヶ月続く「サンタン(黒っぽくなる日焼け)」の両方のことです。

日本人が日焼けした際におこる肌の反応を分けると、人によって以下の3つのタイプに分けられると言われています。

  • I型:赤くなりやすく黒くなりにくいタイプ(紫外線に高過敏)
  • II型:中間型、少し赤くなり程々に黒くなるタイプ
  • III型:赤くなりにくく黒くなりやすいタイプ(紫外線に非過敏)

2019年、東北メディカルメガバンクプロジェクトの9,187人を対象に行った、上記の3つの日焼けタイプと遺伝子の関連解析から、日本人の日焼けに関連する遺伝子型が報告されました。それが今回調査対象とした遺伝子解析項目「日焼け(SNP:rs16935073)」に該当します。

■遺伝子解析項目「日焼け(SNP:rs16935073)」について

遺伝子解析項目「日焼け(SNP:rs16935073)」は、紫外線を浴びたあと、どんな日焼けをしやすいかに関する項目で、遺伝子型は次の3つのタイプがあります。

  • 赤くなりやすく黒くなりにくいタイプ/紫外線に高過敏(遺伝子型:CC)
  • 一般的なタイプ(遺伝子型:AC)
  • 赤くなりにくく黒くなりやすいタイプ/紫外線に非過敏(遺伝子型:AA)

■「紫外線を浴びると肌が黒くなりやすい遺伝子タイプ」が少ない都道府県ランキング

今回、ユーグレナ社の調査では、「赤くなりにくく黒くなりやすいタイプ/紫外線に非過敏(遺伝子型:AA)」に該当する人の割合を都道府県(出生地)別に算出し、数値化しました。今回は該当する遺伝子タイプが「少ない」に着目しています。

ゲノムデータの解析結果による、紫外線を浴びると肌が黒くなりやすい遺伝子タイプの人の割合が相対的に低い都道府県は、1位 沖縄県、2位 福島県、3位 岩手県、4位 長野県、5位 秋田県、6位 富山県、7位 宮城県、8位 愛知県、9位 山形県、10位 山口県となりました。青森県を除く東北地方の各県がトップ10入りです。

【全ランキング結果はこちら】

■東北地方の人の肌が白いのは遺伝子が関係している?

「赤くなりにくく黒くなりやすいタイプ/紫外線に非過敏(遺伝子型:AA)」に該当する人の割合が少ないということは、細胞を守る働きがある黒い色素「メラニン」を作る力が弱い肌タイプの遺伝子型の人が多いということです。俗に言う「東北地方は肌が白い人、色白の人が多い」というのは遺伝子が関係しているとも推測できます。

一方、今回のランキングで1位だった沖縄県は紫外線が強い地域にもかかわらず、メラニンを作る力が弱い、紫外線に過敏なタイプが多いという結果となりました。沖縄県出身の人は、紫外線対策を念入りに行った方がよいかもしれません。

■紫外線を浴びると肌が黒くなりやすいタイプの人は肌のくすみやごわつきに注意

遺伝子型「赤くなりにくく黒くなりやすいタイプ/紫外線に非過敏(遺伝子型:AA)」に該当する人は、細胞を守る働きのあるメラニンを作る力が高い肌と言えます。そのため、肌の炎症やしわ、たるみなどの光老化が起こりにくいタイプですが、メラニンが多く作られるため黒い肌色が定着しやすく、一般的には、肌のくすみやごわつきが起きやすいと言われています。自分の肌タイプにあった紫外線対策、正しいアフターケアを心がけてください。

【調査概要】
調査方法:ゲノムデータの解析をもとに調査
調査対象:「ユーグレナ・マイヘルス 遺伝子解析サービス」、「ジーンクエストALL」の利用者
対象者数:ゲノムデータ:21,371人
調査時期:2023年6月
調査項目:ゲノムデータ「日焼け(SNP:rs16935073)」の項目について、「赤くなりにくく黒くなりやすいタイプ/紫外線に非過敏(遺伝子型:AA)」に該当する人の割合を都道府県ごとに算出

なお、今回の調査で遺伝子解析項目「日焼け(SNP:rs16935073)」に関して、日本人における遺伝子型の割合は、紫外線を浴びると肌が「赤くなりやすく黒くなりにくいタイプ/紫外線に高過敏(遺伝子型:CC)」が28.9%、「一般的なタイプ(遺伝子型:AC)」が49.7%、「赤くなりにくく黒くなりやすいタイプ/紫外線に非過敏(遺伝子型:AA)」が21.4%でした。ご自身のタイプが気になる方は、この機会に「遺伝子解析サービス」でチェックしてみてください。

【ユーグレナ・マイヘルス遺伝子解析サービスとは】
個人の健康リスク・体質・祖先について350項目以上の遺伝子型を解析し、どのような病気にかかりやすいか、どのような体質の遺伝的傾向があるかについて結果を提供するサービスです。

ユーグレナ・マイヘルス 遺伝子解析サービス

遺伝子解析項目は定期的に追加・更新され、2023年6月には、「2型糖尿病」と「BMI(体格指数)」の2つの解析項目において、これまでより高い精度のポリジェニックスコア(PGS)を用いた解析結果へと情報更新しました。詳しくはこちらをご覧ください。