ユーグレナクッキーの空き袋で、リサイクル製品づくり!【2023年8月の活動報告】

今月のレポートでは、GENKIプログラム提携校の子どもたちが取り組むリサイクル活動をご紹介いたします。

1.ユーグレナクッキーの空き袋で、リサイクル製品づくり

世界銀行の2021年の報告書によると、バングラデシュの首都ダッカでは1日あたり約646トンのプラスチックが排出されます。しかしそのうちわずか37%しかリサイクルに回されず、残りのプラスチックは埋立地や、道路、川辺などに捨てられています
※世界銀行(2021), Towards a Multisectoral Action Plan for Sustainable Plastic Management in Bangladesh

バングラデシュでは、プラスチック汚染を減らすために、2002年に世界で初めてプラスチック製のレジ袋の使用が禁止されました。しかし依然として、プラスチックのレジ袋は国中で入手可能です。また家具や家庭用品だけではなく、様々な産業でプラスチックが使用されており、その使用量が増加するとともにプラスチック汚染が悪化しています。リサイクルの概念はまだまだ国内に浸透していません。

GENKIプログラムが2014年にスタートして以来、ダッカ市では、子どもたちは市の指導のもとで、ユーグレナクッキーを食べた後の空き袋をゴミ箱や学校内の指定された容器に捨てています。その後ダッカ市から委託された団体が、廃棄物処理車で空き袋を収集して埋立地に運び処分します。

ユーグレナクッキーの空き袋は分別して回収する

GENKIプログラムのスタッフはこの空き袋を有効活用し、リサイクルについて意識を高められないかと考えました。そして、GENKIプログラムの提携校2校と共に、ユーグレナクッキーの空き袋を活用したリサイクル製品に取り組むことにしました。

この取組には、裁縫の基本的な設備があるダッカ市のSSKS パラビ校とマエル・アチョル・シェルターが参加することになりました。どちらの施設も人々の生活状況が厳しいスラム街に位置しています。

リサイクル活動についてレクチャーを受ける子どもたち
先生や保護者も参加してアイデアを出し合う

まずはGENKIプログラムのスタッフと学校の教師、保護者、子どもたちで、ユーグレナクッキーの空き袋を再利用できるかどうかをチェックしました。そこからさまざまなリサイクル製品を参考にし、ユーグレナクッキーの袋でユニークな製品のアイデアを練っていきます。参加者で意見を出し合い、材料の精査から製造方法まで試行錯誤を重ねました。

検討を終えたら、本格的な製作のスタートです。子どもたちはユーグレナクッキーを食べたあと、空き袋を箱に集めて先生たちに渡します。先生たちは袋の状態をチェックし、付着しているクッキー取り除いて、洗浄します。さらに袋を平らなシートにするために、圧力をかけて成形しました。

リサイクル製品用の材料を集めていく
リサイクル製品製作のために提供されたサリー

また製作に必要な道具や材料も調達しなければなりません。SSKSパラビ校の校長先生は女性用コートのサリーを寄付したほか、梱包の箱や縫製用の糸、ミシンなどを集めてバックアップしてくれました。子どもたちの母親たちも、得意の裁縫で協力してくれます。

こうして用意した材料を使って、ハンドバッグ、ポーチ、バングル、ブレスレット、イヤリングなどのアクセサリー、ノートカバーなど、多種多彩な製品を作っていきます。しかし製作の過程では様々なトラブルが発生しました。製品の形が熱で縮んでしまったり、形が崩れてしまったりして、なかなか思うように作ることができません。また今回は電動ではなく手動のミシンを使用したため、作業には時間と集中力が必要でした。子どもたちと母親たちは、根気よく丹念にリサイクル製品を作り上げていきます。

GENKIプログラム提携校の子どもたちの保護者が作った一生懸命に作ったリサイクルのバッグ
手動のミシンで丁寧に仕上げる
学校でリサイクル製品を作る子どもたち
学校でリサイクル製品を作った子どもたち
完成した製品を手にする子どもたちの母親

アメナ・アクター先生は、「私たちにとって、斬新な取り組みです。皆でリサイクル製品づくりに意欲的に取り組みました。今回の経験で作り方を理解できたので、今後も私たちにできることがあれば積極的に協力したいです」と語ります。

今回GENKIプログラムのチームが作ったリサイクル製品を紹介します。

レディース・オーナメント
GENKIプログラムの女性スタッフのアイデアで作られました。バングラデシュの伝統的なアクセサリーセットです。

ショッピングバッグ
耐荷重は3キログラムで、お米や牛乳、果物などの荷物がたっぷり入ります。

レディースポーチ
現金やカード類、化粧品を収納するのにぴったりなポーチです。

ミニポーチやウォレット
ミニポーチは筆記用具やブラシなどが入ります。ウォレットは名刺入れとしても使用できます。

トートバッグ
コンパクトで、小物の持ち運びに便利

GENKIプログラムのスタッフは、他の提携校にもこのリサイクル活動を紹介し、完成した多種多彩なリサイクル製品を実際に見てもらうことで、ユーグレナクッキーの空き袋を再利用できる可能性を伝えました。今回の取り組みを通じて、より多くの学校や子どもたちがリサイクルの意識を高めてくれることを願っています。

GENKIプログラムは今後も子どもたちを支援してまいります。

2. 2023年8月の活動報告

8月はGENKIプログラム対象校のうち、93校の約1万1000人に対し、24万食のユーグレナクッキーを配布しました。

引き続きのご支援をどうぞよろしくお願い致します。