スポーツ大会や就職活動、大学・高校受験などで、勝利を引き寄せるには粘り強さも大事な要素の1つ。苦しみや辛さなどに耐え、物事にこだわり最後までやり遂げる力である忍耐力は、おかれた環境や個人の信念、目標の程度などに左右されますが、忍耐力のような「気質」も遺伝的な関与について研究が進められています。
ユーグレナ社では、ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスのゲノムデータをもとに、忍耐力に関する遺伝子項目を解析し、「忍耐力が高めの遺伝子タイプが多い都道府県ランキング」を公開しました。
■ 忍耐力に関する遺伝子項目とは?
カリフォルニア大学を中心とした研究チームが、ヨーロッパ系のいくつかの集団合計11,000人以上の人を対象に、アメリカの精神科医であるクロニンジャーが考案したTCI(Temperament and Character Inventory:気質性格検査)という記述式のアンケートを実施しました。
この中で、「新奇性追求」、「損失回避」、「報酬依存」、「忍耐力」の4つの気質のスコアと遺伝子型との関連性を確認したところ、SNP:rs17608059という遺伝子型で「C」を持っているほど忍耐力が高い傾向があると分かりました。
この遺伝子項目「忍耐力(SNP:rs17608059)」の遺伝子型は、次の3つタイプがあります。
- 忍耐力が高めのタイプ(遺伝子型:CC)
- 忍耐力が一般的なタイプ(遺伝子型:CT)
- 忍耐力が低めのタイプ(遺伝子型:TT)
今回のユーグレナ社の調査では、「忍耐力が高めのタイプ(遺伝子型:CC)」に該当する人の割合を都道府県(出生地)別に算出し、数値化しました。
■ 「忍耐力が高めの遺伝子タイプ」が多い都道府県ランキング
ゲノムデータの解析結果による、忍耐力が高めの遺伝子タイプの人の割合が相対的に高い都道府県は、1位 高知県、2位 山梨県、3位 富山県、4位 岡山県、5位 山形県、6位 静岡県、広島県、8位 大分県、9位 埼玉県、10位 青森県となり、割合でみると2位との差が4%と、高知県がダントツでした。
【全ランキング結果はこちら】
【調査概要】
調査方法:ゲノムデータの解析をもとに調査
調査対象:「ユーグレナ・マイヘルス 遺伝子解析サービス」、「ジーンクエストALL」の利用者
対象者数:ゲノムデータ:21,371人
調査時期:2022年11月
調査項目:ゲノムデータ:「忍耐力(SNP:rs17608059)」の項目について、「忍耐力が高めのタイプ(遺伝子型:CC)」に該当する人の割合を都道府県ごとに算出
■ 日本人の約4割が「忍耐力が高めのタイプ」
遺伝子項目「忍耐力(SNP:rs17608059)」について、日本人における遺伝子型の割合は、
- 忍耐力が高めのタイプ(遺伝子型:CC)・・・41.9%
- 忍耐力が一般的なタイプ(遺伝子型:CT)・・・48.8%
- 忍耐力が低めのタイプ(遺伝子型:TT)・・・9.3%
でした。日本人の約4割が「忍耐力が高めのタイプ」であり、「忍耐力が低めのタイプ」は1割に届かない結果となりました。
なお、今回のランキングでは、20位以内に入った都道府県が日本人全体の平均(41.9%)よりも忍耐力が高めのタイプが多い地域に該当します。実際、ご自身がどの遺伝子タイプかどうか気になる方は、この機会に「遺伝子解析サービス」でチェックしてみてください。
これまで発表した都道府県ランキングは食べ物の好みや血液型などでしたが、今回初めて気質や性格に関連する項目でのランキングを発表しました。ここで改めてとなりますが、遺伝要因だけですべてが決まるわけではないということと、必ずしも「忍耐力が高い=良い」ではないということをお伝えできればと思います。
例えば、忍耐力が高くて何かを継続することで成功する場合もあれば、逆に忍耐力が低いからこそ見切りを早めにつけることで成功する場合もあります。どのタイプであっても自分の長所として前向きに捉えてください。
【ユーグレナ・マイヘルス遺伝子解析サービスとは】
個人の健康リスク・体質の遺伝的傾向・祖先のルーツについて300項目以上の遺伝子型を解析するサービスです。太りやすさなどの体質や、がん・糖尿病などの病気発症リスクに関する遺伝子情報、病気の予防のためにできることをチェックできます。詳しくはこちらをご覧ください。