まもなく二十四節気の「処暑」です。暑さが和らぎ、秋の気配を感じるころといわれていますが、気温が25〜30℃になると活動が活発になる「蚊」。真夏に猛暑が続く昨今では、少し涼しくなってきた今からの時期の方が蚊に刺されやすいと言われています。
ユーグレナ社では、ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスのゲノムデータをもとに、蚊の刺されやすさに関わる遺伝子項目を解析し、「蚊に刺されやすい遺伝子タイプが多い出生地（都道府県）ランキング」を公開しました。
■ 蚊の刺されやすさに関わる遺伝子項目とは？
今回対象にしている項目「蚊に刺されやすさ（SNP：rs1026157）」は、周囲の人より蚊に刺されやすいかどうかに関する遺伝子型で、次の3つのタイプがあります。
- 蚊に刺されやすいタイプ（遺伝子型：GG）
- やや蚊に刺されやすいタイプ（遺伝子型：GT）
- 一般的なタイプ（遺伝子型：TT）
今回の調査では、この遺伝子（SNP：rs1026157）の型のなかで、「蚊に刺されやすいタイプ（遺伝子型：GG）」に該当する人の割合を出生地（都道府県）別と血液型別に算出し、それぞれ数値化しました。
■ トップ10に中四国の5県がランクイン！「蚊に刺されやすい遺伝子タイプ」が多い都道府県ランキング
ゲノムデータの解析結果による、蚊に刺されやすい遺伝子タイプの人の割合が相対的に高い都道府県は、1位 愛媛県、2位 高知県、3位 福島県、4位 山口県、5位 富山県という順位になりました。トップ１０に中四国エリアの５県が入り、全ランキングで見ても中四国エリアが上位に多いという傾向が分かりました。
【全ランキング結果はこちら】
一方で、蚊に刺されやすい遺伝子タイプの人の割合が相対的に高い血液型は、
１位 O型（9.47%）
２位 AB型（8.94%）
３位 B型（8.83％）
４位 A型（8.24％）
という結果となりました。これは、2004年の学術誌「Journal of Medical Entomology」で害虫防除技術研究所の白井良和先生によって報告された「蚊はO型の血液型を好む」という結果とも一致しています。
【調査概要】
調査方法：ゲノムデータの解析をもとに調査
調査対象：「ジーンクエストALL」、「ユーグレナ・マイヘルス 遺伝子解析サービス」の利用者
対象者数：ゲノムデータ：21,371人
調査時期：2020年５月
調査項目：ゲノムデータ：「蚊に刺されやすさ（SNP：rs1026157）」の項目について、「蚊に刺されやすいタイプ（遺伝子型：GG）」の割合を都道府県と血液型ごとに算出
■ 蚊に刺されないように気をつけましょう
蚊は血を吸うとき、血液を固まりにくくするために唾液を注入しますが、この唾液が皮膚のアレルギー反応を誘引しかゆみを引き起こすだけでなく、デング熱・ジカウイルス感染症・マラリア・日本脳炎などの深刻な感染症を媒介する可能性があります。感染しないためにも屋外の蚊が多くいる場所で活動する場合は、できるだけ肌を露出せず、虫よけスプレーや蚊取り線香など対策グッズを使用するなどして、蚊に刺されないよう注意してください。
今回対象にした遺伝子解析項目「蚊に刺されやすさ（SNP：rs1026157）」に関して、ランキングに使用した「蚊に刺されやすいタイプ（遺伝子型：GG）」の方は日本人の8.7％、「やや蚊に刺されやすいタイプ（遺伝子型：GT）」の方は日本人の42.7％でした。
蚊に刺されるかどうかは遺伝子だけで決まるものではありませんが、ご自身のタイプが気になる方は、ぜひこの機会に「遺伝子解析サービス」でチェックしてみてください。
取締役副社長 岩田 修
今回の調査で対象にしている遺伝子の型を「蚊に『刺されやすい』タイプ」と表現していますが、この表現自体も地域や家庭によって異なります。
共通語では蚊に「刺される」と言いますが、東北から北陸の各県、九州の一部の地域では「食われる」、関西、中国、四国では「かまれる」と言われることもあります。さらに、少数派ではありますが、「吸われる」、「かぶられる」という表現も存在しています。
あらためて、ご自身でも蚊の被害にあったときにどういう表現をしているかを思い出していただきつつ、周りの方と比較してみると面白い発見があるかもしれません。
【ユーグレナ・マイヘルス遺伝子解析サービスとは】
個人の健康リスク・体質の遺伝的傾向・祖先のルーツについて300項目以上の遺伝子型を解析するサービスです。太りやすさなどの体質や、がん・糖尿病などの病気発症リスクに関する遺伝子情報、病気の予防のためにできることをチェックできます。詳しくはこちらをご覧ください。
