ユーグレナ社では、2012年から石垣島の地域振興活動「みーふぁいゆープロジェクト」を行っています。石垣島内の子どもたちを中心としたスポーツや教育の支援などを通して、石垣島のさらなる活性化と自然環境の保護を実現し、観光誘致や雇用の創出などの地域振興への寄与を目指すものです。
このプロジェクトの一環として行っているのが、最先端の藻類培養研究をしているバイオテクノロジー企業の強みを活かした「理科実験教室」。新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止していましたが、2021年9月、約1年ぶりに開催することができました。
※「みーふぁいゆー」は石垣島の言葉で「ありがとう」です。
9月30日(木)、ユーグレナ社の生産技術研究所の研究員が講師として訪れたのは、沖縄県石垣島市の大本小学校です。
理科実験教室のタイトルは「藻の力を使って実験してみよう!」。この日は全校児童6人全員が参加してくれました。まずはユーグレナ社の研究所と工場が石垣島にあることや研究員の仕事を簡単に説明した後、工場で生産している小さな藻の仲間、ユーグレナやクロレラがどういう生き物なのかをお話しました。
約30億年前に藻の祖先が生まれたことや、ユーグレナは和名で「ミドリムシ」とも呼ばれますが、虫ではなく昆布やワカメ、もずくなど大きな藻である海藻の仲間であることを紹介すると、子どもたちは興味深そうに聞いていました。
いよいよ、子どもたちが楽しみにしている実験開始!
今回の実験では、海藻など大きな藻に含まれるネバネバの成分「アルギン酸」と小さな藻であるユーグレナとクロレラを使います。実験でポイントとなるのは、アルギン酸とカルシウムの関係です。
アルギン酸を水に溶かしたネバネバの液体に、ユーグレナを混ぜたもの(黄緑色)とクロレラを混ぜたもの(緑色)をそれぞれ準備します(=アルギン酸ネバネバ液)。この2つの液体を、カルシウムを水に溶かした液体(=カルシウム水)の入った水槽に入れるとどうなるのか?
ユーグレナやクロレラを混ぜたアルギン酸ネバネバ液が固まりました!(※黄緑色はユーグレナ、緑色はクロレラです。)
スポイトでぽとぽとと少しずつ入れたり、大きなスプーンですくって入れたり、注射器で一気に入れたり…。子どもたちは液体の入れ方を工夫して、まぁ~るい粒や細長い棒状の固まりを次々に作っていきます。
最初に教えた方法とは違う作り方にどんどん挑戦する子どもたち。とても微笑ましいですね。
さて、今回の実験で分かったのは、「大きな藻に含まれるネバネバ成分のアルギン酸とカルシウムが混ざると、『アルギン酸カルシウムの膜』ができて固まる」ということ。実験の後、子どもたちは、なぜ固まるのか、そしてこの仕組みが私たちの暮らしの身近なところで活用されていることを学んでいました。
理科実験教室で、実験・研究のおもしろさや身近な藻の力に触れた子どもたちが、藻のことをより一層好きになってくれたら嬉しい限りです。
【理科実験教室の講師を務めた 水上早紀さんの言葉】
4年ほど理科実験教室の講師を担当していますが、以前よりも「(ユーグレナ、クロレラを)知ってるよ!食べたことある!」と答えてくれる子どもたちが増え、とても嬉しいです。
楽しそうに実験をする子どもたちにいつも私たちも元気をもらっています。
理科実験教室で興味をもってくれた子どもたちが、いつかユーグレナグループの仲間になってくれたらいいですね。