コロナ禍でのユーグレナクッキー配布・感染対策と
バングラデシュ選手の東京オリンピック2020出場レポート
【2021年8月の活動報告】
1.2021年8月の活動報告
当社はGENKIプログラムにおいて、コロナ禍の休校期間中、ユーグレナクッキーの配布を再開しました※1。8月はGENKIプログラム対象校82校のうち49校の約6,100人に対し、16.3万食のクッキーを配布しました。

※1 休校中でも先生方にはクッキー配布の為、学校に来ていただき、プログラムを再開する仕組みを確立しています。コロナ禍におけるGENKIプログラムの活動状況については、2020年8月、2020年10月の活動報告をご参照ください。
※2 例年12月は月の半分以上が冬休みで配布日数が少なくなりますが、2020年度は15日分を1度にまとめて計2回(合計30日分)配布しました。そのため、コロナ禍前の2020年9月期より配布数が多くなっています。
2.コロナ禍でのユーグレナクッキー配布と感染対策
以前のレポートで報告させていただいている通り、コロナ禍のGENKIプログラムでは、2週間に一度、学校の教室と校庭を開放し、ユーグレナクッキーを2週間分まとめて子どもたちに配布しています。この配布制度は、休校中においてもユーグレナクッキーを定期的に配布する目的で昨年10月に開始されました。それから、10か月が経過しましたが現在はどのようになっているのでしょうか。今月はアーバンというNGOが運営する2校の配布状況を紹介いたします。
この2校は、先生や学校関係者の協力もあり順調に配布していましたが、今年7月に配布を中断しました。理由は、1日あたりの新型コロナウイルス感染症新規感染者数が6月に比べ約2倍と大幅に増加したためで、学校側は感染予防のため、配布中止を決定しました。
学校側は、以前から子どもたちに対し、マスクを必ず着用すること、帰宅後は必ず手洗いすることなどの感染予防対策の推奨をしてきました。しかし、子どもたちを含めた家族全員の対策がさらに重要であると考え、7月より両親向けの説明会を実施しています。ここでは先生方が一方的に説明するだけではなく、例えば両親が正しい手洗い方法を先生方に質問し、先生方が答えるといった議論形式で行われています。また、NGOや、先生方は月に2回感染対策に関する情報交換会を実施し、常に新しい情報を両親や子どもたちに提供しています。
このような教育の効果もあり、この2校では学校関係者や先生方の中で感染者が1人も発生しませんでした。この結果を受け8月に配布を再開しました。
しかし残念なことに、それ以外の対象校80校において、5人の先生が感染し1人がお亡くなりになりました。バングラデシュ全土では、多いときで1日1万人以上の感染者が発生しているといわれています。しかし、スラム街においては子どもたちや両親の感染状況を把握できていないのが現状です。スラム街では公衆衛生への意識が低く、手洗いうがいの習慣がつきにくく、PCRテストを受ける人数も多くありません。それゆえに感染の有無を確認することが難しい原因です。
これらのことから、ユーグレナクッキーの継続的配布には感染予防が最も重要であると考えています。当社の現地メンバーは、先生方に対し、ワクチン接種の申請方法を教えることにより、感染を防ぐ手助けをしています。今後も、先生方と協力し予防対策を講じて参ります。

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
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3.「建国の父」であるムジブル・ラーマン氏の肖像画コンテスト開催
皆さんはバングラデシュの首相をご存知でしょうか。現在の首相であるシェイク・ハシナ氏は、1996年から2001年まで首相を務め一旦下野しましたが、2009年に政権に復帰し現在も3期目として首相を務めています。
彼女の父親は、1971年の歴史に残る独立運動を率いたシェイク・ムジブル・ラーマンという政治指導者です。彼も初代大統領及び首相を歴任しました。しかし独立から4年経たずして軍事クーデターが発生し、55歳の若さで暗殺されてしまいます。後に彼の命日である8月15日は、「建国の父」追悼日として国民の祝日となりました。

独立から50年を迎えた今年、コロナ禍ではありましたが重要な日と位置付けている8/15に政府機関や学校では反旗を掲げました。またハシナ首相は、彼が暗殺された生家でありその後記念博物館となった場所を訪れ、毎年追悼の祈りを捧げています。
ラーマン氏が尊敬されている象徴として、ほぼすべての学校、会社のオフィス、自宅に彼の肖像画が掲げられております。
GENKIプログラム対象校のC2C校でもこの日に合わせラーマン氏の肖像画コンテストを開催しました。子どもたちは歴史の授業を通して彼について学んでおり、また街中や学校でも肖像画を見かけることが多いいため、ラーマン氏は歴史上の人物とはいえ、子どもたちにとって身近な存在です。
コンテストには約100名が参加し、校長先生を含めた先生たちで優秀賞を決定しました。
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日本の図工の授業では絵具やクレヨンが使われるかもしれませんが、子どもたちは自分で用意した鉛筆で描いています。それでも筆遣いには個性が表れました。
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バングラデシュでは、国の歴史を誇りに思い祝日を大事に祝う文化が根強く残っています。コロナ禍でなかなか集団での活動が難しい中、少しでも友達と過ごす時間をもってもらいたいと、この祝日にちなんで校長が初めて企画したコンテストでした。先生は、「子どもたちが友達と一緒に国の英雄であるラーマン氏の肖像画を描くことで、有意義な時間を過ごせただけではなく、改めて国を思う1日になりました。」と話してくれました。
4.東京オリンピック2020のバングラデシュ代表選手にユーグレナ飲料を提供
東京オリンピック2020には、6名のバングラデシュ選手が出場しました。ユーグレナ社は、応援の気持ちを込めて全選手へユーグレナ入りドリンクを提供しました。
本大会でバングラデシュ選手はメダル獲得とはなりませんでしたが、水泳のアリフル選手が、50m自由形で24.92秒の記録を出し、これまでの自己ベスト28.81秒を大幅に更新しています。*3
試合後彼から「1時間前にスポーツ飲料「SPURT」を飲んだらとても力が沸き、今回自己ベストを出すことができました。試合後も飲みましたが、普段より体の回復が早いように感じます。素敵な商品で応援してくれてありがとう。」と嬉しい感想をいただきました。

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アリフル選手は、5歳の時自宅近くの川でお兄さんに泳ぎ方を教えてもらったのがきっかけで水泳を始めました。その後国際選手となり、2018年から国際水泳連盟の支援の下フランスに留学をしていましたが、 コロナ禍で3か月間プールに入ることができず、練習再開後にはタイムが落ちてスランプに陥ったそうです。大会の延期もあったことから直前まで不安が拭えませんでしたが、無事出場し、自己ベストを大幅に更新することができました。
アーチェリーのロマン選手以外の5名は、今回「ワイルドカード」という仕組みで各競技に出場しています*4。ワイルドカードとは、発展途上国の振興を手助けするため、標準記録や出場枠を得られなかった場合でも、特別に出場を認める制度です。
バングラデシュを含む発展途上国のアスリートは、才能があっても貧しいためスポーツを続けられなかったり、国の代表でもスポーツだけで生きていくのは難しい状況だったりと、他国と肩を並べて競い合うことは容易ではありません。そのため、あらゆるサポートが必要になります。
*3 The Daily Star (2021) Swimmers Ariful, Junayna produce their bests at Tokyo Olympics
*4 Bangladesh Sangbad Sangstha (2021) Swimmer Ariful Islam to carry national flag in Tokyo Olympics
今後も当社は、様々な活動を通じてバングラデシュに携わり、発展に貢献できるよう邁進してまいります。引き続きのご支援をどうぞよろしくお願い致します。