ユーグレナ研究チームがある決定的瞬間の動画撮影に成功しました。 今回は、その動画と共に、細胞のはたらきについて解説します。
まずはこちらをご覧ください。
これは、マクロファージがパラミロンを飲み込んでいる瞬間をとらえたものです!
黒い粒がパラミロンで、それをパクパクと食べているのがマクロファージという免疫細胞です。マクロファージとは、元は単球とよばれる白血球の一種で、体内に侵入した細菌などの異物を捕食し、抗原や免疫情報を見つけ出します。
免疫とは、からだに侵入する細菌やウイルスなどの病原体から、からだを防御する仕組みのことです。免疫の中でも、侵入してきた病原体や異常を起こした自己の細胞をいち早く感知し、それを排除する仕組みを自然免疫といい、自然免疫は生体防御の最前線とされています。この自然免疫において、マクロファージなどの免疫細胞が活躍します。マクロファージは、元は単球とよばれる白血球ですが、血管から組織へ出ていくと、「マクロファージ」と呼ばれるようになります。
マクロファージは、生体のバリアを突破して末梢組織に侵入した病原体などを呑み込みます(呑み込むことを、貪食(どんしょく)といいます)。
病原体を呑みこんだマクロファージは活性化し、ホルモン様の低分子タンパク質であるサイトカインを出して、他の免疫細胞をも活性化させます。組織で病原体を呑み込んだマクロファージはその病原体を食べながらリンパ管に入り、リンパ節に移動します。リンパ節で獲得免疫※の司令塔であるヘルパーT細胞に、「こんな敵がきましたよ」と伝えます(これを抗原提示といいます)。
その後、ヘルパーT細胞から放出されたサイトカインにより、キラーT細胞が病原体や感染細胞を攻撃、またB細胞がその病原体にだけ特別に攻撃能力を発揮する抗体をつくって、病原体を攻撃します。
ここまで病原体を例に話してきましたが、マクロファージは、ちょっとでも怪しいと判断すると、細菌、ウイルス、ダニ、ホコリ、花粉、なんでも食べてしまう性質を持っているのです。
例えば、今回の動画のようにユーグレナに含まれるパラミロンはβ-グルカンの一種ですが、見た目がからだに悪さをする病原体と似ているため、異物として認識され、マクロファージなどに呑み込まれ、免疫細胞の活性化に貢献すると考えられています。
※ 獲得免疫は病気にかかることで「獲得」していく免疫機能のことです。
いかがでしたか?
私たちのからだは、様々な細胞によって守られているのですね。
当社では、このほかにも免疫機能に関する研究を進めています。 石垣島ユーグレナ及び各種素材の健康機能情報や最新の研究成果については、「ユーグレナ ヘルスケア・ラボ」にて情報発信しています。
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撮影方法
・マウス由来マクロ―ファージ細胞RAW264.7に、パラミロンを添加後、インターバル撮影した。30分間を5秒間に短縮表示した。
・撮影機材:ライブセルムービーアナライザー
JuLI FL、対物レンズ4倍(デジタルズーム4倍)
※黒い顆粒は、パラミロン
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