バングラデシュ共和国。
最貧国と言われるそのバングラデシュに、初めて訪れたユーグレナ社メンバーが街や田園地帯で感じたことをお伝えするレポート第2弾です。
バングラデシュ到着から現地の食品(クッキー)工場を訪問したその1に続き、今回は首都・ダッカにあるチルドレンホームの訪問について記載します。
※2019年4月25~28日の3泊4日の企業研修訪問記です。
ストリートチルドレンに教育を提供するチルドレンホームへ
ユーグレナクッキーの製造工場を後にし、次に訪問したのはダッカ市内にあるエクマットラというNGOが運営するチルドレンホームです。
なおエクマットラは、渡辺大樹さんという日本人が設立したNGOで、ストリートチルドレンへの教育の提供を目指すチルドレンホームを運営しています。
チルドレンホームに到着するとまず驚いたのはその歓迎ぶり。 入口のドアに手作りのウェルカムボードが掲げられていました。
私たちがホームの中に入ると12人の女の子たちが、折り紙で作ったお花を手渡しして、熱烈に歓迎してくれました。12人の子どもたちと握手が終わると、子どもとたちの自己紹介タイムがはじまりました。
自分の名前、好きなこと、そして「お医者さんになりたい」「警察官になるのが夢」「デザイナーを目指している」などの将来の夢。
ほほえましくみんなの「夢」を聞いていたのですが、エクマットラ創設者の渡辺さんからのお話で、自分たちが思う「夢」と彼女たちの「夢」が違うことを知るのでした。
彼女たちの「夢」の意味とは?
渡辺さんは、「彼女たちはこのチルドレンホームに迎えられなければ「夢」という言葉の意味すら分からない境遇にあった」と語ってくれました。
チルドレンホームにいる子たちはもともとストリートチルドレンです。ストレートチルドレンは市場での荷物運びなどの重労働、物乞いなどの尊厳を傷つけられるような仕事をしながら生きて抜いています。
さらに、成長するに従い、大人の思惑によってギャングの仕事や暴力行為、売春などに関与させられる例も多いようです。そんな境遇にいる彼女たちは生きることに精いっぱいで「夢」を持つこと自体が「夢」というぐらいということなのです。
そんなストリートチルドレンを迎え入れ教育し、大学への進学を手助けしているのがこのチルドレンホームで、私たちが訪問した日も、チルドレンホームの卒業生である大学生がお手伝いに来ていました。
このような卒業生の存在が、チルドレンホームの子どもたちの大きな希望になっているとのことです。
また、渡辺さんは、さまざま世界で活躍する大人たちがチルドレンホームに訪問する機会を積極的に作っていて、子どもたちに教育の意味や教育を受けた先に広がる世界について伝えています。
そして、今回訪問した私たちは、子どもたちにとって、バングラデシュの社会課題を解決しようとしているヒーローのように映ったようです。
ランチは一緒に緑豆入りのカレーをいただきます
自己紹介が終わった後は、みんなが楽しみにしているランチタイムになりました。
そして隣に座った6歳の女の子に教わりながら、初めて右手だけでの食事を経験することに。子どもたちは日本語も英語も通じないのですが、自己紹介を通じて関係構築できていればジェスチャーだけでどうにかなるものです。
この日のメニューは野菜のカレー風味の炒め物と、現地名でダールという緑豆の入ったカレーでした。辛さを控えめにしていただいたこともあり、すごくおいしかった!です。
しかしやはり、チルドレンホームの子どもたちの身長は日本の子どもたちと比べて低いと感じました。
教育を提供する大前提として、栄養状態を満足させることの重要性を再認識し、日本では当たり前のことがバングラデシュで当たり前ではない…ということを痛感しました。
最後に、子どもたちが歓迎の証として歌とダンスを披露してくれました!(動画でぜひご覧ください!)
みんなと過ごす時間はあっという間に過ぎていきました。チルドレンホームのようすを見せてもらうという意識しかなかったこの訪問ですが、ストリートチルドレンの現状に強く影響を受けたとともに、子どもたちの将来の夢を少しでも後押しする存在になれたということがとても嬉しくなる出来事になりました。
キラキラと光る子どもたちの目に映る自分が、誇りを持って仕事に取り組めているのか、自らを振り返るよい機会にもなりました。
首都ダッカから地方へ、ブリガンガ川を大型船で移動する
さて、次に向かうはバングラデッシュの田園地帯・ポトアカリです。
ポトアカリへはダッカ市内から地方へと流れるブリガンガ川をフェリーで移動しました。
バングラデシュでは河川が、首都ダッカと地方を結ぶ重要な交通機関になっています。川の港では行き先ごとにいくつもの船が停泊していて、船員の大声での案内に乗客にお菓子や果物を売る人の声が響き渡り、とても賑わっていました。
今回、私たちが乗るのは現地の客船の1等室。二畳くらいのスペースの個室で、テレビとエアコンが付いていて、値段は1,500円ほどです。
ちなみに現地の人たちの大半は、400円ほどの大広間のような仕切りのない船室を使うことが多いそうです。かたい床にタオルだけを敷いて寝るのが普通とのことで、これは日本人の感覚では相当キツそうだ…という印象を持ちました。
船に乗って港をでると、空にはきれいな夕日が出ていました。船旅とポトアカリでの出来事は次回の記事でご紹介します!
~次回へ続く~
#バングラデシュ #SDGs #食料問題